第6回日本地域理学療法学会学術大会

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ポスター

ポスター1

[P] ポスター1

Sat. Dec 14, 2019 3:20 PM - 4:20 PM Poster venue (East Building 3rd floor, D Conference Room)

[P-15] 通所型サービスAに関わる理学療法士等の活動報告

*須貝 勝1、大橋 恭彦1 (1. 神奈川県厚生農業協同組合連合会 伊勢原協同病院)

Keywords:通所型サービスA、理学療法士、介護予防

【はじめに、目的】当院では2017年度より、介護予防通所介護事業所から依頼を受けた理学療法士が、通所型サービスAにてサービス提供を行っている。その内容として、要支援者もしくは事業対象者で介護予防を必要とする利用者に対し、毎月4回90分間の運動指導(ストレッチ・筋力増強運動・バランス練習)やコグニサイズを行っている。サービス提供者は理学療法士に加え、介護予防運動指導員、健康運動指導士が輪番制にて担当し、実施状況や課題については、専従である管理者からの情報提供、およびサービス提供者間で記載している交換ノートにて情報共有を図っている。今回、我々が携わっている通所型サービスAについて、過去2年間の実施状況及び今後の課題を検討したので報告する。
【方法】対象は当通所型サービスAに参加している19名のうち、2018年3月・10月の両日に体力テストに参加した13名(平均年齢79.77±5.73歳)とした。体力テストとしてTimed Up and Go Test(以下、TUG)、開眼片脚立位時間(以下、片脚立位)、2Step Test(以下、2S)を測定した。統計処理は対応のあるT検定を用い、有意水準は5%未満とした。また対象者に対しては、基本チェックリストの内容についても比較検討を行った。さらに、管理者や交換ノートより情報収集を行い、個別相談を受けた内容について調査を実施した。
【結果】体力テストの平均値では2018年3月・10月それぞれでTUG:8.01秒・8.52秒、片脚立位:24.01秒・20.06秒、2S値:1.19・1.14と、いずれもカットオフ値を上回ったが、両日に有意差はなかった。基本チェックリストの該当項目については、運動、うつ、認知の順となったが両日とも著変はなかった。管理者や交換ノートからの情報では、個別相談を受けた内容として、変形性膝関節症や肩関節周囲炎に対する運動指導、がん化学療法後や人工関節全置換術後の生活指導、脳卒中利用者に対する靴や装具の検討などが挙げられていた。 【結論】理学療法士等の専門職が通所型サービスAに携わることによって、要支援者や事業対象者に対し、個別相談やリスク管理など多様な課題対応が可能となる。また、同様の課題を持った利用者同士に対し、集団活動によるモチベーション向上や閉じこもり・うつ防止が図られることも期待される。一方、専門職が手厚く介入する通所型サービスに対して利用希望者が増加すると、会場やサービス提供者の確保が課題となることが予想される。今後、利用者に対して、地域住民による通いの場への移行や運動・生活指導などの提案についても理学療法士が関わっていく必要がある。

【倫理的配慮、説明と同意】
本報告については個人情報保護に十分配慮し、対象者および管理者、各サービス提供者に対して十分な説明を行ったうえで同意を得た。