第6回日本地域理学療法学会学術大会

講演情報

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ポスター1

[P] ポスター1

2019年12月14日(土) 15:20 〜 16:20 ポスター会場 (東館3階 D会議室)

[P-18] 当院リハビリテーション専門職を対象とした介護ロボットに関するアンケート調査

*米澤 美園1、大塚 幸永1、中田 代助1、菊地 みほ2、熊本 圭吾3、陶山 哲夫4 (1. 中田病院、2. 日本福祉教育専門学校、3. 長野保健医療大学、4. 臨床福祉専門学校)

キーワード:介護ロボット、アンケート調査、リハビリテーション専門職

【はじめに・目的】
近年、介護分野へのロボットやICT(IT)技術の積極的な導入がすすめられているが、施設や在宅へ広く普及するには至っていない現状がある。介護ロボットに対する意識について、一般国民や、ケアマネジャー、福祉業者を対象としたアンケート報告は認められるが、利用者・患者と直接深くかかわりADL練習や介助指導等を実際に行うリハビリテーション専門職を対象としたアンケート報告はほとんど見当たらない。本研究の目的は、当院のリハビリテーション専門職を対象に、介護ロボットに関するアンケート調査を行い、介護ロボットの必要性や開発・普及の上で求められることをリハビリテーション専門職の視点から提示することである。
【方法】
当院のリハビリテーション専門職42名を対象とした。アンケート内容には、回答者の属性(職種、経験年数)、介護ロボットの認知度、介護ロボット導入の利点と欠点(複数選択式)、介護ロボット普及の必要性、普及のために必要なこと(複数選択式)とした。
【結果】
42部配布し33部回収した(回収率78.6%、PT26名、OT5名、ST2名、経験年数5年目以下14名、6~10年目は8名、11~15年8名、16から20年2名、21年以上1名)。介護ロボットの認知度は、「知っている」が78.8%、「知らない」が18.2%だった。介護ロボット導入の利点は、「介護する側の心身の負担が軽くなる」が93.9%、「介護人材不足を解決できる」が60.6%、「介護を受ける人が自分でできることが増える」が54.5%の順で多かった。導入の欠点については、「導入にあたりお金がかかる」が78.8%、「故障したときの修理に手間がかかる」が72.7%、「定期的なメンテナンスに手間がかかる」「ロボットの維持費がかかる」が57.6%の順で多かった。介護ロボット普及の必要性を感じるかについては、「どちらかといえばそう思う」が54.5%、「強くそう思う」が27.3%、「わからない」が12.1%の順で多かった。普及のために必要なことについては「操作が簡単である」が84.8%、「導入にあたり費用が安い、補助金がでる」が69.7%、「介護者側、介護される側にとって不快感がなく快適」が63.6%の順で多かった。
【結論】
今回の結果から、リハビリテーション専門職も介護ロボット普及の必要性を感じている割合が多いことが分かった。また、介護ロボット導入の利点として、利用者の自立度向上、介護者の負担軽減が多く挙げられていたが、これらはリハビリテーション専門職にとっては、日常のリハビリテーション上でも共通している目的である。このことから、リハビリテーションとして共通する目的に対し、それを達成するための一つの手段として、介護ロボットの必要性を感じていると考えられる。また、普及に必要なこととしては、操作性、費用面が挙げられていたことから、費用が安価で操作がしやすく身近なものであることが普及にとって重要な鍵になると考えられる。

【倫理的配慮、説明と同意】
当研究はヘルシンキ宣言に則って実施した。アンケートはすべて無記名で回収した。また、アンケート調査を依頼する際、使用目的として学会などでの発表予定であることを伝えたうえで実施した。