[P-30] 老人会主催の介護予防教室参加者の運動習慣とLife-Space Assessmentの実態調査
Keywords:介護予防教室、運動習慣、生活空間
【はじめに】近年、リハビリテーション専門職は地域リハビリテーション活動支援事業の一つである住民運営の通いの場への定期的な関与が期待されている。今回、老人会主催の介護予防教室(以下、教室)について社会福祉協議会より相談を受け、立ち上げから関与する経験を得た。その際、教室参加者の運動習慣と生活空間を把握する目的で運動習慣に関するアンケートとLife-Space Assessment(以下、LSA)を聴取したので報告する。
【方法】対象は平成30年9月17日から平成31年3月31日までの期間に開催した(全12回)教室への参加者とした。アンケートは参加者が初めて参加した日に配布した。アンケート内容は①日常的に実施している運動内容(1特に何もしていない 2筋力トレーニング 3散歩・ウォーキング 4ジョギング・マラソン 5スポーツ 6ストレッチ・ヨガ 7その他 複数回答可)②1週間の運動の頻度③自覚的運動強度(非常に楽・楽・ややきつい・きつい・かなりきつい)④1回あたりの運動時間(30分未満・30~60分・60~90分・90~120分・120分以上)の4項目に加えLSAを聴取した。
【結果】期間中に教室に参加した実人数は20名(男性3名、女性17名)で年齢は76±5.0歳であった。アンケート結果は19名が日常的に何らかの運動を実施していた。運動内容は筋力トレーニング4名、散歩・ウォーキング8名、ジョギング・マラソン0名、スポーツ7名、ストレッチ・ヨガ4名、その他6名であった。1週間の運動の頻度は1回:5名、2回:5名、3回:2名、4回:2名、5回:1名、6回:0名、7回:3名で1カ月に1回:1名であった。自覚的運動強度は非常に楽:0名、楽:6名、ややきつい:13名、きつい:0名、かなりきつい:0名であった。1回あたりの運動時間は30分未満:3名、30~60分:5名、60~90分:9名、90~120分:2名、120分以上:0名であった。LSAは中央値が82で週1回以上町内へ外出しているのは20名で、週1回以上町外へ外出しているのは16名であった。
【考察】国民栄養調査では運動習慣者を『週2回以上、1回30分以上、1年以上運動しているもの』と定義している。今回、教室参加者の50.0%は週2回以上かつ1回30分以上の運動に取り組まれていた。このことから運動の継続期間は不明ではあるが参加者の半数は運動習慣者と同等の運動レベルであると推察する。また、生活空間としては全員が町内、80.0%が町外といった広い範囲での活動を実施されていた。今回の教室参加者はこのような特徴を有し半数以上が後期高齢者であった。地域住民の健康増進や健康寿命の延伸といった介護予防教室の趣旨と照らし合わすと地域における適当な対象者が教室へ参加されていたのではないかと考える。介護予防教室では1対多数の構図になることが多くリスク管理は重要である。専門職が定期的に関与し続け参加者への適切な運動処方を行うためにも参加者の運動習慣や生活空間を把握しておくことは有用であると考える。
【倫理的配慮、説明と同意】
当調査ではヘルシンキ宣言に基づき対象者の保護には十分留意し、プライバシーと対象者の個人情報の機密性を守るためアンケートに個人を特定しうる項目は設けていない。また、対象者には調査の目的、調査への参加は任意であり調査に協力しなくても不利益は生じないこと、調査で得た情報は学術研究にのみ使用すること、研究発表では個人が特定されないことを口頭及び書面にて説明し同意を得た。
【方法】対象は平成30年9月17日から平成31年3月31日までの期間に開催した(全12回)教室への参加者とした。アンケートは参加者が初めて参加した日に配布した。アンケート内容は①日常的に実施している運動内容(1特に何もしていない 2筋力トレーニング 3散歩・ウォーキング 4ジョギング・マラソン 5スポーツ 6ストレッチ・ヨガ 7その他 複数回答可)②1週間の運動の頻度③自覚的運動強度(非常に楽・楽・ややきつい・きつい・かなりきつい)④1回あたりの運動時間(30分未満・30~60分・60~90分・90~120分・120分以上)の4項目に加えLSAを聴取した。
【結果】期間中に教室に参加した実人数は20名(男性3名、女性17名)で年齢は76±5.0歳であった。アンケート結果は19名が日常的に何らかの運動を実施していた。運動内容は筋力トレーニング4名、散歩・ウォーキング8名、ジョギング・マラソン0名、スポーツ7名、ストレッチ・ヨガ4名、その他6名であった。1週間の運動の頻度は1回:5名、2回:5名、3回:2名、4回:2名、5回:1名、6回:0名、7回:3名で1カ月に1回:1名であった。自覚的運動強度は非常に楽:0名、楽:6名、ややきつい:13名、きつい:0名、かなりきつい:0名であった。1回あたりの運動時間は30分未満:3名、30~60分:5名、60~90分:9名、90~120分:2名、120分以上:0名であった。LSAは中央値が82で週1回以上町内へ外出しているのは20名で、週1回以上町外へ外出しているのは16名であった。
【考察】国民栄養調査では運動習慣者を『週2回以上、1回30分以上、1年以上運動しているもの』と定義している。今回、教室参加者の50.0%は週2回以上かつ1回30分以上の運動に取り組まれていた。このことから運動の継続期間は不明ではあるが参加者の半数は運動習慣者と同等の運動レベルであると推察する。また、生活空間としては全員が町内、80.0%が町外といった広い範囲での活動を実施されていた。今回の教室参加者はこのような特徴を有し半数以上が後期高齢者であった。地域住民の健康増進や健康寿命の延伸といった介護予防教室の趣旨と照らし合わすと地域における適当な対象者が教室へ参加されていたのではないかと考える。介護予防教室では1対多数の構図になることが多くリスク管理は重要である。専門職が定期的に関与し続け参加者への適切な運動処方を行うためにも参加者の運動習慣や生活空間を把握しておくことは有用であると考える。
【倫理的配慮、説明と同意】
当調査ではヘルシンキ宣言に基づき対象者の保護には十分留意し、プライバシーと対象者の個人情報の機密性を守るためアンケートに個人を特定しうる項目は設けていない。また、対象者には調査の目的、調査への参加は任意であり調査に協力しなくても不利益は生じないこと、調査で得た情報は学術研究にのみ使用すること、研究発表では個人が特定されないことを口頭及び書面にて説明し同意を得た。