第6回日本地域理学療法学会学術大会

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ポスター

ポスター2

[P] ポスター2

Sat. Dec 14, 2019 4:30 PM - 5:30 PM Poster venue (East Building 3rd floor, D Conference Room)

[P-36] リハビリ特化型デイサービス利用者の要介護度と身体機能評価の関係

*前田 伸悟1、仲里 到1、武田 尊徳2、夏目 隆典1、講内 源太1 (1. リハビリディサービス アクティ、2. 上尾中央総合病院)

Keywords:通所介護、身体機能評価、介護度

【はじめに・目的】
要介護認定者の推移は年々増加しており、急速に高齢化する本邦においては介護予防の重要性が高まっている。また介護度を維持している割合は要介護認定を受けた後2年間50%以下であるとの報告もあり、予防とともに介護度の重症化の抑制は重要である。こういった問題に対する予防的な取り組みにおいて、通所リハビリテーション利用者の身体機能評価は重要であり、多くの時間や特殊な道具を使わずできる総合的な評価は機能訓練メニュー作成において必要不可欠なものである。しかし、介護度重症化の抑制に有用な運動機能評価については一定の見解を得られておらず、実際には評価のみを行い機能訓練メニューは利用者統一のプログラムが実施されていることも少なくない。そこで、本研究は介護度の重症化抑制に有用な評価項目を明らかにすることを目的に、身体機能評価項目を介護度別で比較検討した。
【方法】
対象は要支援1以上の要介護認定を受けてリハビリ特化型デイサービスを利用している202名とした。対象者を介護度別に群分け(要支援1群41名、要支援2群60名、要介護1群51名、要介護2群38名、要介護3群7名、要介護4群5名)し、年齢、握力(左右平均)、Timed up and go test(以下TUG)、Short Physical Performance Test(以下SPPB)の項目を6群間で比較した。群間の比較にはKruskal-Wallis検定およびSteel-Dwass検定を用いた。統計はR-2.8.1を用い、有意水準は5%とした。

【結果】
握力、年齢は全群間で有意差は認められなかった。SPPBは、要支援1と要支援2、要支援1と要介護1、要支援1と要介護3で有意差が認められ、介護度が大きい群で点数がより低値であった。TUGは、要支援1と要介護2、要支援1と要介護3、要支援1と要介護4、要支援2と要介護3、要支援2と要介護4、要介護1と要介護2、要介護1と要介護3、要介護1と要介護4で有意差が認められ、介護度が大きい群で所要時間が長かった。

【結論】
年齢や握力といった要因に群間での差は認められず、SPPBやTUGといった運動能力を反映する指標において有意差が認められた。これは介護度重症化の抑制には運動能力を向上させるようなリハビリテーションプログラムが有効であることを示唆するものと考えられる。またSPPBの方が介護度が低い群間のなかで有意差が認められ、TUGは介護度が低い群と高い群で有意差が認められる傾向にあったことから、SPPBで評価される運動機能がTUGで評価される機能に先んじて低下することが示唆された。

【倫理的配慮、説明と同意】
本研究の対象者の個人情報及び診療情報については「人を対象とした医学系研究に関する倫理指針」を遵守して取り扱い、研究における情報の利用については対象者から同意を得て実施した。