第6回日本地域理学療法学会学術大会

講演情報

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2019年12月14日(土) 16:30 〜 17:30 ポスター会場 (東館3階 D会議室)

[P-44] 徳島県理学療法士会が大型商業施設内で行う住民主体の通いの場の普及・啓発事業

*徳元 義治1,2、鶯 春夫1,3、近藤 慶承1,3、東田 裕平1,2、吉本 美紀1,4 (1. 公益社団法人 徳島県理学療法士会、2. 医療法人 橋本病院、3. 徳島文理大学、4. 医療法人ひまわり会 中洲八木病院)

キーワード:いきいき百歳体操、住民主体の通いの場、普及・啓発活動

【はじめに・目的】
「いきいき百歳体操」は,2002年度に高知市で開始され,2015年度には40都道府県で実施されていたが,その当時,徳島県下で定期的にこの体操を実施している通いの場はなかった。そこで,2016年4月に徳島県理学療法士会(以下,県士会)と介護予防等の協定を締結した鳴門市の住民主体の通いの場で初めて「いきいき百歳体操(徳島版)」(以下,いき百)が導入され,2018年11月には,徳島県下24市町村のうち,18市町村323ヶ所まで「いき百」を実施する通いの場は増加した。徳島県の県庁所在地である徳島市の総人口は253,256人,65歳以上の人口は72,769人(2019年6月1日現在)となっており,高齢化率は28.7%に上る。この徳島市では,2017年度から「介護予防・日常生活支援総合事業」の一環として「いき百」を行う通いの場を数多く開設することにより,地域の実情に合った介護予防・生活支援サービスや高齢者の健康づくりを推進しようと考えている。そして、その通いの場を普及・啓発するために,大型商業施設である徳島市内のイオンモール徳島(以下,イオン徳島)にて,「いき百」の講義や実技指導等を理学療法士により月1回(90分)の頻度で実施する運びとなった。そこで今回,県士会が実施する大型商業施設内での住民主体の通いの場の普及・啓発事業について報告する。
【事業内容】
2017年7月度より,イオン徳島にて県士会所属の介護予防推進リーダーを取得した理学療法士により,徳島県下で実施される「いき百」と高知市版との違いや,徳島版の効果等について15分程度説明した後,「いき百」のDVDを使用して,体操の注意点などを十分説明しながら1時間程度実施している。なお,終了後には参加者にアンケート調査を行い,要望や意見を聴取している他,希望者には握力と立ち上がりテストの体力測定を実施し,個別相談も行っている。
【結果】
2017年7月より2019年6月までの参加者数は平均33.7名であった。開始当初は毎月の開催日が不定期であったため参加者数にバラつきが見られたが,2019年2月より毎月第3水曜日に固定されたことや,地元新聞にて広報活動を行うことで,それ以降は新規の参加者が増え,多い時では50名以上の参加者が得られている。その結果,2017年7月から2019年2月までの約2年半で17カ所であった徳島市の通いの場開設件数は,それ以降はわずか3カ月間で5カ所増加することとなった。
【結論】
大型商業施設での普及・啓発活動であるため,徳島市在住の方だけでなく,その他の市町村の住民に対する普及・啓発活動にもなっていると考える。今後もこの事業に参加したことを契機として,新規に開設する「いき百」の通いの場を増やせるように,いろいろな工夫を加えながら活動を継続したいと考えている。

【倫理的配慮、説明と同意】
すべての対象者に口頭にて本研究に関する説明を行い同意を得た上で実施した。