第6回日本地域理学療法学会学術大会

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ポスター

ポスター3

[P] ポスター3

Sun. Dec 15, 2019 12:30 PM - 1:30 PM Poster venue (East Building 3rd floor, D Conference Room)

[P-66] 当法人における訪問リハビリ部門から入院中担当者へのフィードバックの取り組み

*吉田 真咲1 (1. 大手町診療所)

Keywords:訪問リハビリ、育成、フィードバック

【はじめに】
当法人のセラピスト配属先は急性期~在宅までで5事業所あり、異動配置はあるが各セラピストの経験は様々である。
訪問リハビリテーション(以下、訪リハ)等の在宅分野を経験できる者は限られ育成課題となりやすい。そのため在宅支援の育成を目的とした「フィードバック」と、振り返りのための「アンケート」を実施した。結果と今後の対策を報告する。
【対象と方法】
(フィードバック)
対象は2018年7月以降に当事業所に新規訪リハ依頼をした法人内セラピスト。
方法は、事前意見集約より選定した項目について、利用開始後概ね1ヶ月に訪リハ担当者と入院中担当者で実施。
(アンケート)
対象は2019年3月時点で当法人在籍のセラピスト。
法人内システムのアンケート機能を用い期間2週間で実施。設問は「フィードバックで知れたこと・気付けたこと」「もっと詳しく知りたかった項目」「当事業所の訪リハに依頼できると思うもの」など全25問。 在籍数205名中、育休等で未回答の29名を除いた176名の回答を対象とした。 【結果】
フィードバックを受けたことがある者45名(25.6%)、ない者131名(74.4%)。
受けたことがある45名への設問「知れたこと・気付けたこと」の回答内訳は「退院後の生活」41名(91.1%)、「ADL状況」29名(64.4%)、「転倒の有無」・「住宅改修後や福祉用具の利用状況」25名(55.6%)で多く、「介護者の様子」16名(35.6%)、「入院中に必要だったと思われるアプローチ(以下、必要だったアプローチ)」18名(40.0%)で少なかった。
「もっと詳しく知りたかった項目」では「必要だったアプローチ」22名(57.9%)、「退院後の生活」・「活動・参加の状況」13名(34.2%)で多かった。
フィードバック項目を選定するための事前意見集約でも「退院後の生活」「必要だったアプローチ」「活動・参加の状況」で多く、これらへの関心の高さとフィードバックの不足が示唆される結果となった。
全員への設問「当事業所の訪リハに依頼できると思うもの」では、前年度末に行った同様のアンケート結果と変わらず「呼吸器リハ」「乗り物利用の練習」を選択する者が少なかった。
また、法人内新規依頼数は2017年度27件、2018年度44件であった。
【考察】
今回、在宅支援の育成を目的としたフィードバックの取り組みを行い新規依頼数の増加という結果を得られた。しかし、フィードバックを受けて「もっと知りたい」と感じた職員がいる一方で74.4%の職員はフィードバックを受けていない(訪リハ依頼をしていない)ことも特徴となっている。
担当病棟の機能差もあるが「依頼できると思うもの」の結果から「訪リハの理解不足」も一因と考えられる。
今後は「もっと知りたい」に応えるためのフィードバック方法再検討、「訪リハの理解」を深めてもらうためのパンフレット作成や勉強会開催を検討しており、訪問リハビリ部門として法人内の在宅支援の育成にさらに貢献していきたい。

【倫理的配慮、説明と同意】
本調査は、アンケートの回答をもって研究の同意とさせていただく旨を明示しました。また、本研究に関し、開示すべきCOI関係にある企業などはありません。