[P-70] 訪問リハビリテーション利用者における入院リスク管理チェックシートの開発
Keywords:訪問リハビリテーション、リスク管理、チェックシート
【はじめに・目的】訪問リハビリテーション(リハ)は安定した在宅生活を継続するための一助として期待される.訪問リハを必要とする要支援・要介護者は,何らかの心身機能低下を有しており,特に訪問看護ステーションから提供される訪問リハでは,利用者の要介護度が比較的重度であり,入院や死亡などによって短期間で在宅生活が中止となることも少なくない.先行調査において,訪問看護ステーションからリハ専門職が訪問をする訪問リハ利用者のうち,6か月以内終了者の終了理由を調査した結果,死亡16.2%,入院23.5%であり,そのうち死亡・入院となった理由の調査可能であったものは,肺炎9名(15.0%),転倒9名(15.0%),心血管系疾患7名(11.7%),呼吸器系疾患6名(10.0%)であった.先行研究において,入院リスク要因は様々述べられているが,それらを包括した評価用紙はない.したがって,臨床的に活用可能で,訪問リハ利用者の入院リスクを包括的に且つ簡便に評価できるチェックシートが必要であると考える.そこで本研究は,訪問リハビリテーション利用者の入院リスクを把握するためのチェックシートを開発することを目的とした.
【方法】先行調査を元に,訪問リハ利用者の入院リスクを管理するためのチェックシート(以下,チェックシート)は,10年以上臨床経験のある理学療法士5名で,合議の上,作成した.チェックシートの構成は,総合入院リスク,肺炎リスク,転倒・骨折リスク,脳血管疾患リスク,心疾患リスク,呼吸器疾患リスクの5項目を大項目として,各々小項目を3~5設問とした.小項目の設問は,リスクファクターとして報告されている先行研究を参考に設定した.
【結果】総合入院リスクは,身体活動,BMI,喫煙,認知症および中枢神経系疾患の既往についての設問とし,肺炎リスクは,水分によるムセ,胃瘻造設,慢性呼吸不全について,転倒・骨折リスクは,転倒歴,居住環境,骨粗鬆症や視覚障害について,脳血管障害リスクは,高血圧,糖尿病や脂質異常症,飲酒量について,心疾患リスクは,浮腫,労作時の息切れ,水分や塩分制限,服薬アドヒアランス,心機能低下による入院歴について,呼吸器疾患リスクは,急性増悪による入院歴,室内環境,喀痰量,在宅酸素療法の有無,酸素流量のアドヒアランスについての設問とした. 【結論】訪問リハ利用者の6ヶ月以内終了者のうち,死亡や入院による終了者は39.7%と多く,状態管理や身体機能評価とともに,転倒や肺炎などの入院リスクを訪問開始直後から把握し,充分なリスク管理を行う必要がある.本研究で作成したチェックシートは臨床的に活用出来る評価指標であると考える.今後は,このチェックシートの再現性や妥当性,信頼性,簡便性の検証が必要である.
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究はヘルシンキ宣言に基づき計画した.なお,本研究はチェックシートの作成を目的としており,チェックシート作成のための研究協力者には,研究の趣旨を十分説明し,同意を得た.
【方法】先行調査を元に,訪問リハ利用者の入院リスクを管理するためのチェックシート(以下,チェックシート)は,10年以上臨床経験のある理学療法士5名で,合議の上,作成した.チェックシートの構成は,総合入院リスク,肺炎リスク,転倒・骨折リスク,脳血管疾患リスク,心疾患リスク,呼吸器疾患リスクの5項目を大項目として,各々小項目を3~5設問とした.小項目の設問は,リスクファクターとして報告されている先行研究を参考に設定した.
【結果】総合入院リスクは,身体活動,BMI,喫煙,認知症および中枢神経系疾患の既往についての設問とし,肺炎リスクは,水分によるムセ,胃瘻造設,慢性呼吸不全について,転倒・骨折リスクは,転倒歴,居住環境,骨粗鬆症や視覚障害について,脳血管障害リスクは,高血圧,糖尿病や脂質異常症,飲酒量について,心疾患リスクは,浮腫,労作時の息切れ,水分や塩分制限,服薬アドヒアランス,心機能低下による入院歴について,呼吸器疾患リスクは,急性増悪による入院歴,室内環境,喀痰量,在宅酸素療法の有無,酸素流量のアドヒアランスについての設問とした. 【結論】訪問リハ利用者の6ヶ月以内終了者のうち,死亡や入院による終了者は39.7%と多く,状態管理や身体機能評価とともに,転倒や肺炎などの入院リスクを訪問開始直後から把握し,充分なリスク管理を行う必要がある.本研究で作成したチェックシートは臨床的に活用出来る評価指標であると考える.今後は,このチェックシートの再現性や妥当性,信頼性,簡便性の検証が必要である.
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究はヘルシンキ宣言に基づき計画した.なお,本研究はチェックシートの作成を目的としており,チェックシート作成のための研究協力者には,研究の趣旨を十分説明し,同意を得た.