[P-82] 理学療法士による地域の集いの場について
-地域サロンの立ち上げ、運営から-
キーワード:地域包括ケアシステム、集いの場、インフォーマルサービス
【はじめに】
地域包括ケアシステムの推進にあたり,理学療法士は地域に根付いた活動をより一層深めて行く必要がある.地域包括ケアシステムでは医療や介護のサービスだけではなく,インフォーマルサービスをはじめとした地域住民による自助,共助が必要であると言われている.今回,集いの場が少ないことが問題視されていた地域に理学療法士が集いの場となるサロンを開設したため,考察も含めて活動内容等を報告する.
【方法】
開設にあたり,地域自治会や地区社会福祉協議会に協力を依頼した.頻度は定期的に一月に一回.場所は自治会の集会所を借りた.内容は9:30~12:00の2時間半で実施.毎回地域の理学療法士や薬剤師,地域包括支援センター等の講師を招いての健康についての講義と,理学療法士による日常的な運動の指導,茶話会とした.また市の地域リハビリテーション活動支援事業にも登録した.参加対象を地域住民として,高齢者だけでなく子育て世代や子供も参加出来ることとした.また地域の小学校校歌を使用してのリズム体操の提案を行った.地域への周知や集客は自治会の協力を得て,回覧板や地区内の掲示板を利用.また老人会や地域住民の口コミも協力を依頼した.
【結果】
4月からのスタートで,毎回15人~30人が参加した.参加者は幼児から90代までと幅広かった.引きこもりがちな地域住民の担当ケアマネージャーがその住民を連れて参加することや,サロンの参加者が当事業所の訪問リハビリの利用に繋がったケースもあった.また近隣の自治会から同じようなサロン開設の計画が起こり,協力の依頼があった.
【結論】
今回,理学療法士がインフォーマルサービスのひとつであるサロンを立ち上げることで,地域に新たな集いの場を作ることが出来た.それにより,同じ地域に住んでいるが,関わったことのない住人同士や,高齢者と子供が関わり合うことが出来た.これは孤独な高齢者と比較して,人と関わることの多い高齢者の方が高いQOLとなる事や身体機能の維持が出来るといわれていることから考えると,有意義な場であった.地域包括ケアシステムでは地域住民の自助・共助が求められ,元気高齢者は地域を支える側となる事が求められている.しかし,現実には地域住民にはまだそのことが十分に理解出来ていないことが多い.理学療法士は理学療法士である前に地域住民である.まずは理学療法士がその知識や専門性を活かしながら地域住民の代表として行動を起こし,地域住民への啓発やインフォーマルサービスを整えていくことが必要であり,それは一つの地域理学療法の形であると考える.また理学療法士がそのような活動をすることは地域に根付いた活動となり,理学療法士に対する地域の理解や今回実際にあったように医療保険や介護保険での仕事にもつながり,理学療法士の活躍の場や職域を広げることにもつながると考える.引き続きサロンを運営しながら理学療法士として,地域住民として,他にもその地域らしい取り組みを展開していきたいと考える.
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究はヘルシンキ宣言に基づき,利用者に十分な説明と同意を得た後に実施した.
地域包括ケアシステムの推進にあたり,理学療法士は地域に根付いた活動をより一層深めて行く必要がある.地域包括ケアシステムでは医療や介護のサービスだけではなく,インフォーマルサービスをはじめとした地域住民による自助,共助が必要であると言われている.今回,集いの場が少ないことが問題視されていた地域に理学療法士が集いの場となるサロンを開設したため,考察も含めて活動内容等を報告する.
【方法】
開設にあたり,地域自治会や地区社会福祉協議会に協力を依頼した.頻度は定期的に一月に一回.場所は自治会の集会所を借りた.内容は9:30~12:00の2時間半で実施.毎回地域の理学療法士や薬剤師,地域包括支援センター等の講師を招いての健康についての講義と,理学療法士による日常的な運動の指導,茶話会とした.また市の地域リハビリテーション活動支援事業にも登録した.参加対象を地域住民として,高齢者だけでなく子育て世代や子供も参加出来ることとした.また地域の小学校校歌を使用してのリズム体操の提案を行った.地域への周知や集客は自治会の協力を得て,回覧板や地区内の掲示板を利用.また老人会や地域住民の口コミも協力を依頼した.
【結果】
4月からのスタートで,毎回15人~30人が参加した.参加者は幼児から90代までと幅広かった.引きこもりがちな地域住民の担当ケアマネージャーがその住民を連れて参加することや,サロンの参加者が当事業所の訪問リハビリの利用に繋がったケースもあった.また近隣の自治会から同じようなサロン開設の計画が起こり,協力の依頼があった.
【結論】
今回,理学療法士がインフォーマルサービスのひとつであるサロンを立ち上げることで,地域に新たな集いの場を作ることが出来た.それにより,同じ地域に住んでいるが,関わったことのない住人同士や,高齢者と子供が関わり合うことが出来た.これは孤独な高齢者と比較して,人と関わることの多い高齢者の方が高いQOLとなる事や身体機能の維持が出来るといわれていることから考えると,有意義な場であった.地域包括ケアシステムでは地域住民の自助・共助が求められ,元気高齢者は地域を支える側となる事が求められている.しかし,現実には地域住民にはまだそのことが十分に理解出来ていないことが多い.理学療法士は理学療法士である前に地域住民である.まずは理学療法士がその知識や専門性を活かしながら地域住民の代表として行動を起こし,地域住民への啓発やインフォーマルサービスを整えていくことが必要であり,それは一つの地域理学療法の形であると考える.また理学療法士がそのような活動をすることは地域に根付いた活動となり,理学療法士に対する地域の理解や今回実際にあったように医療保険や介護保険での仕事にもつながり,理学療法士の活躍の場や職域を広げることにもつながると考える.引き続きサロンを運営しながら理学療法士として,地域住民として,他にもその地域らしい取り組みを展開していきたいと考える.
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究はヘルシンキ宣言に基づき,利用者に十分な説明と同意を得た後に実施した.