第6回日本地域理学療法学会学術大会

講演情報

ポスター

ポスター3

[P] ポスター3

2019年12月15日(日) 12:30 〜 13:30 ポスター会場 (東館3階 D会議室)

[P-83] 私達が考える地域アプローチ
インフォーマルサービスの融合

*田中 聖也1 (1. チャレッジ保育園)

キーワード:インフォーマルサービス、ライフストーリー、地域アプローチ

【はじめに】
団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、各自治体では地域包括ケアシステムの構築が進んでいる。また、子育てにおいても待機児童解消や幼児教育無償化に向けて政策が推進されている。高齢者サービス、子育てサービスは各自治体に応じて多種多様であり、各地域の特性に応じた内容やアイデアが報告されている。今回は、弊社が構築してきたサービスの紹介と私達が考える地域アプローチを報告する。
【サービス内容】
フォーマルサービスとして訪問看護ステーション、通所介護、介護予防・日常生活支援総合事業、居宅介護支援、保育園、児童発達支援を運営。インフォーマルサービスとしてフィットネスクラブ、保険外リハビリテーションセンター、飲食店を運営。フォーマルサービスのみではなく、インフォーマルサービスにも理学療法士等の医療従事者を専従で配属する。
【目的】
弊社のフィットネスクラブや飲食店の顧客ターゲットは若年層や主婦層である一般客であるが、通所介護や保育園、児童発達支援の同敷地内にて運営をおこなっている。目的①としてターゲット層に、医療介護保険サービスの存在を周知する事である。フォーマルサービスの存在や医療介護保険サービスの内容に関して知る機会が少なく、自ら意識をしないと情報を得にくいのが現状である。「自分が行ったカフェの近くに高齢者が元気に運動している場所がある」「あそこに保育園があった」等の人から人へ伝わり、情報が広がるきっかけになると考える。目的②として、医療介護保険サービスを利用している対象者の目標設定として「もっと筋力がついたらフィットネスクラブのマシンを使ってみましょう」「あのカフェ人気なので、一緒にお茶をしに行きましょう」等のきっかけづくりとなり、ライフスタイルの提案がしやすい。フィットネスクラブや飲食店のスタッフにも専従で医療従事者を配置しているので、情報共有や専門職としての対応も可能。
【結論】
フォーマルサービスのみの利用や、フォーマルサービスからインフォーマルサービスへ徐々に移行することが多くみられるが、私達のアプローチでは、サービス導入時からフォーマルサービスとインフォーマルサービスを並行利用することや、情報を視野に入れることでの潜在的意識化で、サービスの多種多様な活用と、対象者の「これからしたい」と想うきっかけづくり及び選択肢の幅を広げることができているのではないかと考える。商品やサービスを提案するに留まらず、対象者のこれからのライフストーリー提案及びプランニングすることが医療従事者であり、専門職である私達の重要事項であると考え、それが真の地域アプローチである。

【倫理的配慮、説明と同意】
本発表にあたり、プライバシー保護に配慮し、当施設倫理委員会の承認を得た。また、本発表に関連して開示すべき利益相反関係にある企業等はない。