第6回日本地域理学療法学会学術大会

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特別講演

特別講演1

[SP1] 特別講演1

Sat. Dec 14, 2019 1:00 PM - 2:00 PM Room1 (Terrsa hall)

介護保険制度の施行状況と地域包括ケアにおけるリハビリテーション専門職の役割と期待
講師:長江翔平
司会:隆島研吾

1:00 PM - 2:00 PM

[SP1-01] 介護保険制度の施行状況と地域包括ケアにおけるリハビリテーション専門職の役割と期待

*長江 翔平1 (1. 厚生労働省 老健局 老人保健課)

いわゆる団塊の世代のすべてが75 歳以上となる2025 年に向けて、介護ニーズも増大することが想定される中で、国民一人一人が、住み慣れた地域で、安心して暮らし続けられるよう、医療、介護、介護予防、住まい及び生活支援が包括的に確保される「地域包括ケアシステム」を各地域の実情に応じて構築していくことが重要である。また2025年以降は現役世代の急減に局面が変化する見込みであり、2040年以降は高齢者世代も減少していく。全ての世代が安心できる社会保障制度の構築に向けて限られた医療介護資源を最大限活用できる2040年を見据えた提供体制を進めることが必要である。
介護保険は、介護が必要になった者の尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要なサービスを提供することを目的とするものであり、提供されるサービスは、要介護状態等の軽減又は悪化の防止に資するものであることが求められている。この点に関し、2017年の制度改正では、「高齢者の自立支援と要介護状態の重度化防止に向けた取組みの推進」を図るための見直しが行われた。また、未来投資戦略2017(2017年6月9日閣議決定)においても、平成30年度介護報酬改定において、効果のある自立支援について評価を行うこととされた。
自立支援にはリハビリテーションは不可欠である。医療から介護へ切れ目無いリハビリテーション医療を提供体制の構築や介護の分野では科学的根拠に裏付けられたサービス提供に向けて、データ収集のための基盤整備を進めている。また一般介護予防事業棟の推進方策に関する検討会において、地域における介護予防の取組の機能強化を図るため、通いの場等への医療専門職等の関与をさらに促進する方向に検討している。こうした背景をもとに、介護保険制度の将来像について現時点の情報をもとに概説する。