[S1-3] 精子提供で生まれた立場から考えること
匿名の第三者の精子を用いた人工授精(AID:非配偶者間人工授精)で生まれた当事者.23歳のとき,父親の遺伝性疾患への遺伝の可能性を疑ったことをきっかけに,母親より告知を受ける.両親は1978年に慶應義塾大学病院にてAIDを受ける.翌1979年生まれ.提供者についての情報を求めているが全くわかっていない.同じ立場の当事者との出会いを経て,2005年に当事者3名で非配偶者間人工授精で生まれた人の自助グループ(DOG:DI Offspring Group)を立ち上げる.自助グループの目的としては「当事者同士,一人で悩まず互いに話し合える場を作ること」,「AIDという技術の抱える問題について,生まれた人の立場から社会に訴えていくこと」の2つをかかげている.昨年の臨時国会においていわゆる「生殖補助医療法案」が審議された際には,参考人として発言し,生まれた子どもの出自を知る権利の保障を求めた.
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