2020年日本表面真空学会学術講演会

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[C6] 産業技術総合研究所

産業技術総合研究所

 産業技術総合研究所(産総研)は、エネルギー・環境、生命工学、情報・人間工学、材料・化学、エレクトロニクス・製造などの鉱工業に関する科学技術の5つの領域と、地質調査、計量標準という知的基盤に関わる2つの領域において研究開発を推進する、我が国最大級の公的研究機関の一つです。これまで蓄積して来た研究開発の成果を広く社会に普及するため、開発した各種先端機器や技術を共用研究開発施設で公開して、産総研外部の皆様方がお持ちの種々の課題の解決にも貢献しています。
 我々が運営する「産総研先端ナノ計測施設(ANCF)」は、TIAオープンイノベーション拠点及び文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム事業「微細構造解析プラットフォーム」にも参画して、全国からの計測要望に幅広く対応しています。
 ANCFでは、市販装置ではない産総研が独自に開発した計測分析装置や技術を中心に、7機種を公開しています。陽電子プローブマイクロアナライザーは、電子加速器から生成した陽電子マイクロビームを用いており、世界的には他にドイツに類似の装置があるだけです。X線吸収微細構造分析装置や走査型電子顕微鏡は、産総研が開発した超伝導検出器を搭載して既存装置を上回る分解能と感度を実現しています。過渡吸収分光装置、リアル表面プローブ顕微鏡や NMR 装置では、市販製品である基本装置を精巧に合わせ、かつ、高技能な試料調整法と解析法等を適用することで、他を凌駕する高性能を実現しています。
 公開機器の主なご利用形態は、「①技術相談」「②技術補助」「③技術代行」「④機器利用」「⑤共同研究」です。「③技術代行」は、ANCFのスタッフが利用者(ユーザー)の皆様に代行して設備を操作する技術支援です。計測に不慣れな方でもご利用いただけますので、お気軽にお問い合わせください。また、ANCFのスタッフは研究開発を実施する部署に所属する研究者ですので、機器の公開は単なる支援計測サービスではなく、ユーザーと共同で課題を解決するという姿勢で取り組んでいます。この点もご理解いただければ幸いです。
 ANCFスタッフ一同、自らが開発した高度な先端計測分析機器及び技術とともに、皆様方のご利用を心よりお待ちいたしております。