The 11th Annual Meeting of Japanese Society for Pharmaceutical Palliative Care and Sciences

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シンポジウム

[S-10] シンポジウム10 非がん・高齢者疾患のエンド・オブ・ライフケア~地域・ACP・チームで語る2025年を見据えた展望と課題~

Sat. Jun 3, 2017 3:40 PM - 5:40 PM 第1会場 (大ホールAB)

オーガナイザー・座長:土井 直美 (公立西知多総合病院), 座長:西川 満則 (国立長寿医療研究センター緩和ケア診療部医師)

2007年にがん対策基本法が施行され、がん患者への緩和ケアはわが国の医療にも根づき、発展を遂げている。しかし、国内においてがんで死亡するのは3人に1人であることを考えると、諸外国のように緩和ケアの対象を非がん・高齢者疾患にも広げていく必要がある。わが国の医療は、超高齢社会を迎え、認知症患者の激増、生活機能障害と病気をあわせもつ高齢者の増加、多死社会に対応することが求められる。今後、非がん・高齢者疾患のエンド・オブ・ライフケアの需要が高まることになるだろう。
非がん・高齢者疾患においても、人生の最終段階に、呼吸困難等の身体的苦痛を生じる患者は決して少なくない。しかし、がん患者と比べ、軽視されがちである。また、非がん・高齢者疾患では、意思決定支援がより重要な役割を果たしている。現在は、差し迫った状況で、人工栄養、人工呼吸器等、医療・ケアの選択が求められることが多い。今後は、前もって意思表明を行うアドバンス・ケア・プランニング(ACP)がより普及し、本人の意思がより尊重される社会になることを期待したい。
 そこで本シンポジウムでは、2025年を見据えて、非がん・高齢者疾患のエンド・オブ・ライフケアに焦点を当て、意思表明支援、アドバンス・ケア・プランニングの方法について、代表的な疾患である認知症、慢性心不全のエンド・オブ・ライフケアについて、チーム医療としてのエンド・オブ・ライフケアチーム、非がん緩和ケアチームについて、各領域の第一人者にお話しいただき、会場の皆様の理解を増すきっかけになれば幸いである。