The 11th Annual Meeting of Japanese Society for Pharmaceutical Palliative Care and Sciences

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シンポジウム

[S-14] シンポジウム14 地域包括ケアシステムの実践と課題

Sat. Jun 3, 2017 3:40 PM - 5:40 PM 第5会場 (小ホール)

オーガナイザー:日置 隆文 (麻薬生産者協会), 座長:草場 鉄周 (医療法人北海道家庭医療学センター)

日本は、諸外国に例をみないスピードで高齢化が進行しています。
このような状況の中、2025年(平成37年)を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制:「地域包括ケアシステム」の構築を積極的に推進されています。各自治体では、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じたシステムを構築していくとされているが、地域間での取り組みにも大きな格差が見受けられ、まだ各自治体が苦労をしながら構築を進めている段階にある。
その一方、「地域包括ケアシステム」を推進していく中で、医療と介護・福祉の連携の輪において、医療の質の向上及び医療安全の観点から、最適な薬物療法を提供する医療の担い手として、また、多職種連携の中で医療人として、薬剤師が果たす役割はますます重要視されてきているところである。
加えて、厚生労働省の終末期医療に関する意識調査等検討会が行った「平成26年度終末期医療に関する意識調査等検討会報告書」によると、末期がんを患っている場合、国民の72%以上が「自宅で療養したい」と回答し、その背景には「自分のやりたいこと、自分の生活を優先した医療」を受けたいとの思いがあることが調査結果から見える。「地域包括ケアシステム」の対象となる高齢者には、このような緩和ケア・疼痛管理の必要な患者さんも多いことから、医療用麻薬を使用する機会も多い。それに伴い、医療用麻薬に関しても、薬剤師による適正な薬学的管理・使用が行われることが必要となってくる。
本シンポジウムでは、室蘭市蘭北地区における取り組みを紹介し、緩和ケアや医療用麻薬の取り扱いの話題に触れながら、「地域包括ケアシステム」の課題や問題点について皆さんと共有し、地域で信頼される薬剤師について一緒に考えたいと思います。