第11回 日本緩和医療薬学会年会

セッション情報

シンポジウム

[S-17] シンポジウム17 緩和医療における適応外使用~自宅で過ごしたい、看取りたい。でも適応外で薬が使えない。どうしよう~

2017年6月4日(日) 10:00 〜 12:00 第3会場 (中ホールA)

オーガナイザー・座長:里見 眞知子 ( 医療法人社団慈成会 東旭川病院), 座長:小西 洋子 (京都府立医科大学附属病院 薬剤部)

オーガナイザーは、2000年、熊本開催の第5回日本緩和医療学会に参加した薬剤師有志で結成された「緩和ケアを考える薬剤師の会(考える会)」のメンバーである。この会ではメーリングリスト(ML)上で情報交換や臨床研究を行い、学会発表等を行ってきた。昨年8月、MLに1本の投稿があった。『症状が徐々に悪化、呼吸困難に対して酸素14L、モルヒネに加えて、鎮静のためドルミカム使用開始、在宅看取り希望のため、病院でセレネースに切替え退院も2日後に永眠した事例あり。皆さんは在宅ではドルミカムは使用されませんか?代替薬は?』という内容であった。
2016年12月9日、「改正がん対策基本法」が成立した。今回の改定では第17条に「緩和ケアが診断の時から適切に提供されるようにすること」が追加され、そのあと「居宅においてがん患者に対しがん医療を提供するための連携体制を確保すること」と明記されている。既に、2016年4月には診療報酬「在宅緩和ケア充実診療所・病院加算」「外来がん患者在宅連携指導料」が新設され、在宅でも緩和ケアが充実される基盤が作られてきた。しかし、病院から在宅療養への連携が十分に構築されているとは言い難い。
一方、がん対策基本法の改正を受け、がん対策推進協議会では病院から在宅緩和ケアへの移行がスムーズになるような第3次がん対策推進基本計画が計画されている。
では、薬物療法において「病院から在宅へスムーズに」を阻んでいるものは何なのか?そこで、「考える会」では「適応外使用薬アンケート」を作成し、メンバーの知人から回答を得た。本シンポジウムではこのアンケート調査結果を報告するとともに、シンポジストの先生のご経験を発表していただき、我々薬剤師の行動すべき道筋を皆さんと考えたい。