The 11th Annual Meeting of Japanese Society for Pharmaceutical Palliative Care and Sciences

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シンポジウム

[S-3] シンポジウム3 地域に根差した緩和医療普及のための病院薬剤師と保険薬局薬剤師の医薬品・服薬情報連携

Sat. Jun 3, 2017 9:30 AM - 11:30 AM 第5会場 (小ホール)

オーガナイザー:宮原 富士子 (NPO法人浅草かんわネットワーク研究会 ケイ薬局 NPO法人HAP), 座長:金子 健 (慶應義塾大学病院 薬剤部/緩和ケアセンター), 岸田 悦子 (日本医科大学付属病院 薬剤部)

緩和医療薬学の研究や臨床の成果が地域への貢献につながるためには,病院薬剤師と保険薬局薬剤師の連携は必須と考えられるが,いまだ,それが業務レベルで実践されているとは言い難い現状がある.

また,地域では,医療介護福祉一体化の地域包括ケアシステムの中で,地域住民のニーズに合わせた適正な緩和医療の提供体制の早急な構築が求められている.その要となる「緩和医療に 必要な医薬品の適正使用」において,医薬品情報および服薬指導情報は特に重要と考えられる.

昨年の薬機法改正に伴う「かかりつけ薬剤師・健康サポート薬局の制度」を大いに利用して,病院薬剤師とかかりつけ薬剤師の連携を推進してゆくことが薬剤師職能発揮のためにもとても重要である.

このシンポジウムでは,浅草緩和DI塾で過去3年にわたり築き上げてきた成果を 評価・標準化することを目的として,それぞれの立場から成果に基づく知見を提唱し議論する.

 我々は,過去3年間,NPO法人浅草かんわネットワーク研究会およびNPO法人HAPを母体として,台東区浅草地区において,緩和DI塾という研修を重ねてきた.病院で緩和ケアを専門にする薬剤師と,地域で患者の座卓医療を行う薬剤師の間で,何度も議論と事例研修行い,双方の立場・思いを共有してきた.その緩和DI塾の活動を通して,それぞれの考え方が変容していったことも伝えたいと考えている.そこには,専門性だけでなく,制度や立場の理解,多職との関わりなど様々な課題が山積していた.薬薬連携が重要で大切なことはわかっているのだが,なかなか進まない背景がどこにあるのかを時間をかけて議論した経過は重要である.

今回のシンポジウムでは 下記の流れで経過と課題と解決策案を紹介し,今後への提言とする.