The 11th Annual Meeting of Japanese Society for Pharmaceutical Palliative Care and Sciences

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シンポジウム

[S-7] シンポジウム7 ポリファーマシーに対して薬剤師は何ができるか?
~明日からできることを考えよう~

Sat. Jun 3, 2017 1:30 PM - 3:30 PM 第4会場 (中ホールB)

オーガナイザー・座長:荒井 幸子 (横浜市立大学附属病院 薬剤部), 久原 幸 (株式会社ファーマホールディング 事業統括本部)

ポリファーマシー(polypharmacy)の問題がさまざまな場面で取り上げられ、薬剤師が果たすべき役割は大きい。日本老年医学会「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」では、独立して「薬剤師の役割」という項が設けられている。しかし我々薬剤師は、はたして充分な対応ができているのだろうか? 本シンポジウムは、情報共有にとどまらず、患者の利益を守るために行動を起こすきっかけとなることを目的とする。
ポリファーマシー問題は、単に薬剤数が多いことだけでなく、潜在的な不適正処方(potentially  inappropriate medications:PIMs)、必要な薬剤の未処方、服薬アドヒアランスの低下、膨大な残薬などの医療経済問題など多岐に渡る。がん・緩和領域の患者では、高齢者と同様に肝・腎機能をはじめとする身体機能低下による体内動態および薬剤感受性(PK/PD)の変容、多種多様の病態や症状に対する薬剤の増加といった問題に加え、化学療法やオピオイドの副作用に対しても薬剤も要するため、有害事象や相互作用のリスクが増大する。
がん患者の療養先が在宅に移行することが想定される中、多診療科の薬剤を一元管理し、患者のQOLを考慮して服薬管理するなど、薬物療法の包括的かつ多画的な評価が重要となる。そのためには、今後ますます多職種および地域連携の強化が必要となるであろう。
そこで本シンポジウムでは、①「ポリファーマシー外来」の医師の立場より、ポリファーマシーの現状と薬剤師への期待、②病院薬剤師の立場より、がん・緩和領域のポリファーマシーの諸問題と薬学的考察、③薬局薬剤師の立場より、多職種および地域連携の実例紹介、④入院患者の持参薬調査から得られたがん患者における薬剤使用の実情と薬剤部としての取り組み紹介、と立場や視点の異なる演題を企画した。各演者からの問題点および課題の提起をもとに、薬剤師がやるべきことと明日から実際にできること、個人でできることと組織として取り組む必要があることなど、具体的な方策をフロアのみなさまと共有したい。