The 11th Annual Meeting of Japanese Society for Pharmaceutical Palliative Care and Sciences

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ワークショップ

[WS-2] ワークショップ2 続編「ケミカル・コーピング」

Sat. Jun 3, 2017 1:30 PM - 3:00 PM 第9会場 (107+108会議室)

コーディネーター:阿部 泰之 (旭川医科大学病院緩和ケア診療部), 高田 慎也 (北海道がんセンター)

ケミカル・コーピングとは、本来ターゲットとされる「痛み」にではなく、不眠、恐怖や怒り、寂しさや不安といったことに対してオピオイドを用いて対処する(してしまう)ことであり、正常と真の依存との間のグレーゾーンを表す言葉です。ケミカル・コーピングという言葉の認知度はまだまだ低いですが、レスキューの使用回数が多い患者をみて「大丈夫だろうか?」「このままでいいのかな」と思った経験は臨床に携わっていれば誰にでもあるでしょう。
この新しくて古い問題について緩和医療薬学会でも議論を始めるため、昨年の第10回大会でケミカル・コーピングのセッションを行いました。おそらく真正面からケミカル・コーピングを取り上げたセッションとしては、これが日本初であり、多くの参加者が興味を持ったようで、会場は立ち見が出るほどでした。昨年は、初めてのセッションであったため、ケミカル・コーピングの経験を持ち寄り、まずはこの言葉の認識を広めることを目標としていました。
今年はその続編、一歩進んで、ケミカル・コーピングの診断について会場とやりとりをする予定です。いくつか仮想事例を提示し、その事例がケミカル・コーピングかどうか診断します。新たな試みとして、事例提示に実際の電子カルテを使用し、より実践に近い形でのワークを目指します。このワークショップに参加すれば、各施設に戻られた月曜日には、すぐに実践的なケミカル・コーピングの診断ができるようになっているはずです。多数のご参加をお待ちしております。