日本放射線技術学会 近畿支部 第61回学術大会

講演情報

一般演題

一般撮影 画像処理技術

2018年1月20日(土) 13:50 〜 15:10 第1会場 (2階 鳳凰の間(東))

座長:小林 弘幸(日赤和歌山医療センター)、岸本 健治(大阪市立大学医学部附属病院)

15:00 〜 15:10

[08] Convolutional Neural Networkを用いた超解像技術によるX線画像の高解像度化

*白井 清教1、坂下 直洋1、大野 歩果1、松井 等1、米田 晃敏1、岡本 英明1 (1. 大阪国際がんセンター)

【背景・目的】X線画像において,病変などを細部まで観察するには,拡大処理による画像の高解像度化が不可欠である.高解像度化には,Bi-linear法やBi-cubic法などの補間が一般的に用いられている.ただ,これらの補間方法では,高周波成分が再現されない.近年,機械学習を使って高解像度に変換するConvolutional Neural Networkを用いた超解像技術(以下SRCNN)が登場した.本研究はSRCNNを使ったX線画像の高解像度化を試みる.

【方法】SRCNNの学習用として,当院で撮影した5枚の手指骨正面X線画像を原画像群とし,それらをBi-cubic法で縮小後に再び拡大した低解像度群を別途作成した.両群から1枚あたり無作為に5000枚の小領域(パッチ)を切取った.パッチとそれらを反転処理したものを加え,原画像群および低解像度群からそれぞれ5万枚のパッチを作成した.低解像群および原画像群のパッチをSRCNNの入力および正解ラベルとし,機械学習を行った.検証用として,新たに5枚の手指骨正面X線画像を使用し,Bi-cubic法で縮小後にBi-linear法,Bi-cubic法そして学習後のSRCNNを使って高解像度化した.高解像後の元画像に対する再現性や類似性をPeak Signal-to-Noise Ratio (PSNR), Structural Similarity (SSIM) Indexを用いて評価した.

【結果】SRCNNを用いて,高解像度化を行った画像が,Bi-linear法,Bi-cubic法と比べPSNR, SSIMともに有意に高かった.