日本放射線技術学会 近畿支部 第61回学術大会

講演情報

一般演題

MRI 基礎技術・安全性

2018年1月21日(日) 14:30 〜 15:20 第1会場 (2階 鳳凰の間(東・中))

座長:松井 知也(日高総合病院)、山崎 勝(都島放射線科クリニック)

14:50 〜 15:00

[26] 2D-Phase Contrast法による流速と流入角度の測定精度についての検討

*齊藤 恭孝1、清水 幸三1、野儀 明宏1、山谷 裕哉1、中島 一成1 (1. 奈良県立医科大学附属病院)

【目的】Phase Contrast法(以下PC法)は,bipolar gradient(BPG)を印加することで血流の位相シフトを画像化する方法であり,得られた位相画像により流速を測定することができる.近年,血流動態解析に3次元のCine-PC法が用いられているが撮像時間が長く,簡便な方法とは言い難い.今回,比較的簡便に撮像可能な2次元のCine-PC法(以下2D-PC法)に3軸のBPGを印加し,得られた位相画像から流速と流入角度の測定し,その精度ついて検討した.

【方法】本検討では2D-PC法の本質的な精度評価のため,流速が既知の流体について検討した.内径1.5mmと3.0mmのチューブをMedrad社製インジェクタに接続し,水槽内に配置しファントムとした.アイソセンタにファントムを充分静置した後,層流になるように流速を設定し,静磁場方向に対して15度間隔で45度までファントムを傾けて撮像し流速,流入角度の測定精度を検討した.使用装置はSIEMENS社製Magnetom Skyra.撮像条件はTR 71.2msec,TE 11.7msec,ボクセルサイズ0.7x0.7x1.6mmにて行った.解析にはImageJを使用した.

【結果】チューブの内径にかかわらず,測定流速は設定流速に比べ5%以下の誤差を示し,流入角度による差異は認められなかった.測定流入角度は静磁場方向に近いほど相対的に大きな誤差となったが,誤差は6°未満であった.

【結論】臨床に応用するには目的血管への撮像条件の最適化など課題はあるが,2D-PC法は流速と流入角度の簡便な測定方法として十分な精度を有することが示唆された.