Japanese society of radiological technology kinki branch

Presentation information

Oral Presentation

Computed Tomography

Sun. Jan 21, 2018 2:30 PM - 3:10 PM Room2 (2F)

座長:木村 紘也(箕面市立病院)、井上 健(奈良県立医科大学附属病院)

2:30 PM - 2:40 PM

[50] Positioning of neck CT for thyroid imaging

*伊東 大佑1、中平 修司1、藤村 一郎1、酒井 徳生1、長谷川 勝俊1、池本 達彦1、西池 成章1、小西 康彦1 (1. りんくう総合医療センター)

【背景】当院では頸部CT撮影時,上肢を下垂して撮影を行っている.しかし,ストリークアーチファクトにより,甲状腺の描出が不明瞭になることが度々みられ,挙上での体幹部撮影時の画像と比べるとその頻度が多く感じた.

【目的】異なるポジショニング(上肢の挙上,下垂)に対する甲状腺の画質を評価し,ストリークアーチファクトに対しての画質改善を検討した.

【方法】当院において過去に単純CT撮影を行った症例を振り返り,上肢挙上位及び下垂位における甲状腺画像を各100症例ずつ比較・検討した.検討項目は以下の内容である.①Z軸方向に対する上腕骨頭と甲状腺の位置関係 ②Z軸方向,Y軸方向に対する鎖骨の傾きとアーチファクトの関係 ③同一スライスにおいてのY軸方向に対する甲状腺から左右上腕骨頭ラインの距離とアーチファクトの関係

【使用機器】CT装置:Aquillion64(東芝社製),画像評価ソフト:View-R(横河電機)

【結果】①Z軸方向で甲状腺が上腕骨頭部よりも頭側にある症例は,挙上時15/100(件),下垂時42/100(件)であり,両者の位置関係によるアーチファクトの傾向に統一性はなかった.②挙上することにより鎖骨はZ軸,Y軸方向に対し傾斜は強くなり,甲状腺に対するアーチファクトは低減した.③甲状腺から左右上腕骨頭ラインの距離が短くなると,アーチファクトは強く現れた.

【考察】甲状腺に対するストリークアーチファクトに寄与する要因は,鎖骨の傾きと甲状腺-上腕骨頭距離(Y軸方向)であった.これは,スライス断面に対して骨の領域が多くなることでX線の吸収が大きくなり,また,線質が変化することでストリークアーチファクトが強くなったと考える.