Japanese society of radiological technology kinki branch

Presentation information

Basic Lecture

Basic Lecture

Sat. Jan 20, 2018 1:50 PM - 2:40 PM Room4 (2F)

1:50 PM - 2:15 PM

[BL-1-1] 倫理規定と審査について ~ケーススタディを参考に~

*京谷 勉輔1 (1. 神戸大学医学部附属病院・日本放射線技術学会近畿支部 倫理審査相談員 )

 倫理には,「生命倫理」「職業倫理」「研究倫理」など様々あるが,倫理は,ひとことで言うと「○○に関してやって良い事といけない事」を明文化したものである.医療機関で勤務する診療放射線技師にとって,「医療を求める人々に奉仕する」「チーム医療の一員として行動する」「専門分野の責任を全うする」という「職業倫理」は,重要であることは言うまでもない.一方,医学研究を志す研究者にとって,「個人情報の保護」「研究不正の排除」「被検者等の無用な精神的・肉体的苦痛の排除(軽減)」「営利目的とならないようにする」という「研究倫理」も昨今,重視されるようになってきた.「職業倫理」と「研究倫理」は,どちらも重要であり,区別して取り扱う必要がある.
「研究倫理」が大切であると理解していても,実際,倫理委員会の申請となると「どのように申請書を提出したら良いか」「このようなケースは倫理規定に反しているか否か」「介入と侵襲の境界がわからない」といったように研究倫理について「スッキリ」した見解を持っている会員は少ないのではないか.
 大学病院や民間・公的病院など組織によって倫理審査体制は様々であるが,本講演の前半は,基本的な倫理審査の考え方について概要を解説し,後半は実際の発表抄録を元にした事例(ケーススタディ)を紹介しながら倫理についての理解を深めていく.
 医学倫理について,曖昧な知識を持っている方や,将来的に倫理審査申請を予定している方々に対して少しでもわかりやすく解説し,理解を深めて頂ければ幸いである.