Japanese society of radiological technology kinki branch

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Education Lecture

Education Lecture

Sun. Jan 21, 2018 9:30 AM - 10:30 AM Room2 (2F)

座長:藤村 一郎(りんくう総合医療センター)

9:30 AM - 10:30 AM

[EL-2] 逐次近似再構成の物理データより見えてくる臨床応用とその限界

*後藤 光範1 (1. 宮城県立がんセンター 診療放射線技術部)

 X線CTの画像再構成法において,逐次近似再構成(iterative reconstruction:IR)や逐次近似応用再構成(hybrid iterative reconstruction:HIR)は従来の再構成法であるフィルタ補正逆投影法(filtered backprojection:FBP)と比べ画像雑音が少ないため低線量で撮影可能とする報告が多い.しかしながら,低コントラスト検出能においては有意差がなく,線量低減は困難であると述べている論文もあり,開発からほぼ10年となる現在においてもIRの総合的な運用指針について明示されたものはない.これはIRやHIRによる線量低減が単純なものではないことを示唆している.
 一方,再構成画像の物理特性については,これまでの再構成法FBPが線形な特性を示すのに対し,IR,HIRでは撮影条件や被写体が変わると画像特性も変化する非線形な挙動を示し,さらには,その挙動も各IRそれぞれで異なることも報告されている.従って,使用しているIR,HIRの特性を把握することは 臨床運用の上で有用である.
 本セッションでは,IR,およびHIRについて簡単な復習を行い,まずはこれまで報告されている物理特性が何を意味するのかを整理する.次に,解像度,雑音特性,形状再現性の3点において論文や実験データから解説し,どのように臨床画像に結びつくのかを整理する.さらには物理データを取得する際や解析するうえでの注意点を確認し,臨床運用する際,条件設定にどのように反映させていくべきかを考察したいと思う.