日本放射線技術学会 近畿支部 第61回学術大会

講演情報

ランチョンセミナー

ランチョンセミナー②

2018年1月21日(日) 11:50 〜 12:50 第1会場 (2階 鳳凰の間(東・中))

座長:寺川 彰一(大阪市立総合医療センター)

共催: シーメンスヘルスケア 株式会社

11:50 〜 12:50

[LS-2] Highend dual source CTを駆使したPersonalized CTの実践

*香川 清澄1 (1. 神戸大学医学部附属病院 放射線部)

 Dual Source CTの誕生から10年が経ち,全世界においてその技術は確立されているように思う.当院において,SOMATOM Definition Flash(以下Flash)とSOMATOM Force(以下Force)の2機種の使用経験がある.特に,後者は2015年1月,国内の大学病院では初導入され,2017年12月現在でおよそ25000件の撮像を行ってきた.
Flashと比較した時のForceの特徴として,①Vectron管球を使用した低管電圧撮像,②energy separationが広がったDual Energy,③Tin Filterでenergy shapingしたSn100kVp,④2つのX線管で2倍の出力を出すことができるDual Power(DSXXL mode),⑤約730mm/sで螺旋状に高速撮像するTurbo Flash Spiral,⑥66msの時間分解能を持つCardiac CTが挙げられる.
これらの特徴は,従来のCTでは限界とされていたものを打破できる可能性を秘めた高次元な撮像手法であり,撮像の選択肢を大きく広げてくれる.撮像手法が高次元であるという事は,放射線技師としての技術の見せ所でありプロトコル設定のたびにわくわくさせてくれる.例えるなら小回りの利くF1マシンを操作するような感覚である.半面,この特徴を最大限生かすことができる撮像法は何なのかと迷わされたりする事は日常茶飯事である.
本公演では,SIEMENS社のhigh end モデルDual Source CTであるForceを用いた撮像の特徴を,低管電圧撮像ではX線線量と画像コントラスト,Dual EnergyではMonoenergetic Imageとtwo or three-material decomposition解析,Sn100kVpでは被ばく低減効果,Dual Powerでは最大出力とimage noise,Turbo Flash Spiralでは時間分解能と画質,Cardiac CTでは時間分解能と当院でのwork flowを中心に,物理的評価も交えながら紹介する.
また,臨床においての使用法やForceのアドバンテージを最大限利用した症例,特にpersonalizationを行った症例を中心に紹介する.