The 27th Kinki Association for Clinical Engineers

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シンポジウム

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シンポジウム2

Sat. Sep 25, 2021 3:30 PM - 5:00 PM No.1 site (ZOOM)

座長:伊東 朋子(大阪医専 教務部 臨床工学学科)、宇座 英慈(大阪国際がんセンター 臨床工学技士室)

3:45 PM - 4:00 PM

[SY2-2] 麻酔補助業務の現状と展望

*小西 康司1 (1. 奈良県立医科大学附属病院 医療技術センター)

働き方改革関連法案の成立により、2024年から医師に対し適応となる。これに伴い医療法一部改正により臨床工学技士法においても透析、心臓カテーテル、内視鏡、静脈確保での業務拡大が提言された。当院でも働き方改革における実現目標が掲げられ、①長時間労働是正②有給休暇取得③多様な働き方の実現を目指し始動した。その中で、メディカルスタッフへのタスクシフト・シェアが検討されている。当院は以前より麻酔科医の不足や過重労働、医療安全の向上を目的に麻酔業務を法的に可能な範囲でメディカルスタッフ、とくに臨床工学技士(CE)にタスクシフト・シェアすることで麻酔科医療の質を担保し、労務負担軽減が期待できるとして、平成22年度よりCEを麻酔アシスタントとして育成する制度が始まった。今回、臨床において当院での麻酔補助業務の養成と業務内容を提示し、今後の展望について議論したいと考える。
【麻酔アシスタントの養成】
麻酔アシスタント発足当時は新規業務のため、当院に「高度医療技術修得者認定制度」を発足させ「麻酔アシスタント業務に関するCEの高度医療技術者のための研修プログラム」を作成した。プログラムは周術期の業務を1年間麻酔科医指導の下、OJT(On-The Job Training)で300例以上実習し、侵襲制御・生体管理医学としての講義を受けることで習得する。最終的に筆記試験、実技試験、口頭試問を受け、合格者が当院における高度医療技術修得者として当院委員会の承認のもと病院長より認定される。
【業務内容】
麻酔アシスタントは術前から術後の一連で運用実施される。術前では麻酔器の準備をはじめ、使用薬剤・輸液ラインの準備・モニターのセッティングなどを実施。術中は麻酔チャートの記載、医師の指示のもと呼吸設定の変更・管理し、術後は抜管や退室までのモニタリングと補助作業を行う。ICUでは医師の指示のもと人工呼吸器のセッティングから病態に応じてCRRTの準備などを行う。
【展望】
 周術期では患者の全身管理という高度な知識を要求される。このため、麻酔アシスタントは教育システムの確立維持と医療水準の維持という困難な状況に置かれる。働き方改革のもと麻酔医不足の一助と安全・安心の確保と重症度の高い患者に対し、医師一人での麻酔実施回避や急変・機器トラブル対応の迅速性などの今後の期待が考えられる。