第27回近畿臨床工学会

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シンポジウム3

2021年9月25日(土) 12:30 〜 14:00 第2会場 (ZOOM)

座長:恩地 隆(社会福祉法人恩賜財団 大阪府済生会富田林病院 医療機器管理室)、吉田 幸太郎(大阪大学医学部附属病院 臨床工学部 )

13:00 〜 13:10

[SY3-4] コロナ禍における臨床工学技士に求められる呼吸療法の知恵と技 〜重症度分類別施設におけるCEの役割〜

*藤田 和睦1 (1. 医療法人徳洲会 八尾徳洲会総合病院 QIセンター兼臨床工学科 )

当院では、COVID-19の重症・中等症患者の受入を2020年4月より開始した。2021年6月まで262名の入院があったが、その内、人工呼吸器を使用した患者は77名、ECMOは11名に実施した。その中、当院における臨床工学技士(以下、CE)の主な役割としては、人工呼吸器、ECMO、生体監視モニタ、CRRTの管理・対応などが中心であった。

2020年4月から2021年6月まで、COVID-19の患者で人工呼吸管理を要したのは77名であった。当初、ICU8床の内、3床を重症病床として確保していたが、すでに入院していた患者の重症化に伴い、一時病棟においても重症者の対応を行なわざるを得ない状況となった。急きょ病棟における人工呼吸器管理体制の確保にあたり、リソースの移動、特に病室内およびステーションでの監視に必要なベッドサイドモニタおよび送信機の配備とカプノメータ、BISモニタなど手配を行った。また、大阪府においてフェーズ4の段階であったため、病棟3床を重症病床として再申請した。

CEの人工呼吸器対応については、使用前点検および準備、使用中点検、使用後の機器消毒、患者搬送などがあるが、職員感染リスク低減のため可能な限り入室機会の低減を図った。また、呼吸回路の仕様は原則HMEとし、交換は医師および看護師による実施とした。

ECMO対応については、プライミング、導入、使用中管理、トラブル対応、離脱・交換など一連に携わった。導入においては、カテーテル室が使用できないため、病室内でFPDを用いてカニュレーションを行った。また、他院よりECMO導入された患者の受け入れも経験した。

このようにCOVID-19への対応は、非常に制限が多い環境の中においても、最大限の医療を提供してきた。
本シンポジウムでは、これら対応に関する経験と管理方法および工夫について報告する。