The 27th Kinki Association for Clinical Engineers

Presentation information

一般演題

オンデマンド配信(一般演題) » 呼吸療法

呼吸療法

座長:永濱 元続(兵庫医科大学病院 臨床工学部)、北田 裕子(淀川キリスト教病院 臨床工学課)

[01-01] 静電式フィルタの疎水性評価方法と製品による優劣の有無に関する検討

*小澤 一斗1、永濱 元続1、秦 弘樹1、木村 政義1 (1. 兵庫医科大学病院 臨床工学部)

[背景]
呼吸回路フィルタ及び人工鼻フィルタは、細菌やウイルスを除去するという重要な役割を担っているが、ユーザー側で濾過効率を検証するのは困難である。静電式フィルタは静電荷を帯びており、フィルタ繊維の疎水力が失われると、フィルタ内部に水分が侵入し、静電能力が失われ、濾過効率が低下する。よって、フィルタの疎水性を評価することによりフィルタの優劣を検証することができるのではないかと考えた。そこで、疎水性の評価方法と製品による疎水性の優劣の有無について検討を行った。
[目的]
本研究は、各種静電式フィルタの疎水性を比較することで、静電式フィルタ選択の際の評価方法を明らかにすることを目的とする。
[方法]
6種類のフィルタを使用し、人工呼吸器により、フィルタに圧を加えた群の疎水性と、フィルタに圧を加えない群の疎水性の両者について比較した。前者は、ハウジング内に水を入れ、PEEPを5秒毎に0.5cmH2O上昇させ、フィルタ繊維の反対側に水が染み出す時点での圧力を比較した。後者は、フィルタをハウジングから取り出し、予め電子天秤で重量を測定した後、食用色素により着色した水溶液に30秒間浸し、水溶液によるフィルタの着色及び、重量の増加を比較した。
[結果]
フィルタに圧を加えた群の疎水性は、フィルタにより優位性が見られたが、圧を加えない群では、各フィルタで着色と重量の増加に差はほとんど見られなかった。
[考察・まとめ]
呼吸回路フィルタ及び人工鼻フィルタは、圧の負荷がない状態では疎水性を維持できるが、圧の負荷により疎水性の劣化が生じるものと考えた。また、製品によって疎水性の優劣もあるものと考えた。フィルタを臨床使用する際は、圧が加わっている状態であるため、圧を加えた状態で疎水性を確認する必要がある。本研究の結果を基に、より良い静電式フィルタの評価方法を検討するとともに、各製品の性能評価を実施していく。