[01-02] 陽圧換気データ管理ソフトResScan™を用いて人工呼吸器離脱評価を行った一例
【はじめに】今回、片側延髄梗塞による中枢性呼吸障害の人工呼吸器離脱困難症例の評価に陽圧換気データ管理ソフトResScan™を用いた症例を経験したので報告する。
【症例】77歳男性。呂律困難、ふらつきのため当センターへ救急搬送。頭部MRIで脳幹に梗塞病変を認め入院加療となった。第2病日夜間、意識レベルが低下し挿管され人工呼吸器管理を開始した。再度、頭部MRIを撮像し右延髄梗塞部位の拡大を認めたが第3病日には呼吸状態、意識レベルの改善が認められた。第19病日には気管切開術が施行された。人工呼吸器離脱および離床にむけて設定変更やリハビリを進めていたが、発熱を契機としたSpO2および意識レベルの低下を数回認め、終日の離脱はかなわなかった。第41病日から監視可能なリハビリ時のみ離脱として経過していたが、人工呼吸器の完全離脱をめざし、第61病日、陽圧換気データ管理ソフトResScan™にて呼吸状態の解析を目的に人工呼吸器VELIA™に入替えを行った。
【結果】ResScan™にて解析をしたところ、時間帯問わず不規則な呼吸停止が発生し、呼吸回数、吸気時間は不安定であり、現時点での人工呼吸器の完全離脱は困難であることが推測された。しかし、その後の経過が安定していたこともあり、第75病日より人工呼吸器の離脱を再度試みたが、第81病日に発熱とともに同様の症状を呈し人工呼吸器を再装着した。
【考察】呼吸中枢制御には随意的制御と自動制御がある。解析結果から、本症例では自動制御による呼吸障害が一部残存しているため、随意的制御を主として呼吸を行い、発熱時においては随意的制御の継続が困難となり呼吸停止をきたした可能性が示唆された。片側延髄梗塞で遅延性呼吸障害を呈する報告は比較的まれであり、報告のある症例の中では、最長10か月後に改善した症例もあり、今後も継続して評価を行っていく必要があると考えられた。
【結語】中枢性呼吸障害の人工呼吸器離脱には、より継続的な観察・評価体制が必要であった。
【症例】77歳男性。呂律困難、ふらつきのため当センターへ救急搬送。頭部MRIで脳幹に梗塞病変を認め入院加療となった。第2病日夜間、意識レベルが低下し挿管され人工呼吸器管理を開始した。再度、頭部MRIを撮像し右延髄梗塞部位の拡大を認めたが第3病日には呼吸状態、意識レベルの改善が認められた。第19病日には気管切開術が施行された。人工呼吸器離脱および離床にむけて設定変更やリハビリを進めていたが、発熱を契機としたSpO2および意識レベルの低下を数回認め、終日の離脱はかなわなかった。第41病日から監視可能なリハビリ時のみ離脱として経過していたが、人工呼吸器の完全離脱をめざし、第61病日、陽圧換気データ管理ソフトResScan™にて呼吸状態の解析を目的に人工呼吸器VELIA™に入替えを行った。
【結果】ResScan™にて解析をしたところ、時間帯問わず不規則な呼吸停止が発生し、呼吸回数、吸気時間は不安定であり、現時点での人工呼吸器の完全離脱は困難であることが推測された。しかし、その後の経過が安定していたこともあり、第75病日より人工呼吸器の離脱を再度試みたが、第81病日に発熱とともに同様の症状を呈し人工呼吸器を再装着した。
【考察】呼吸中枢制御には随意的制御と自動制御がある。解析結果から、本症例では自動制御による呼吸障害が一部残存しているため、随意的制御を主として呼吸を行い、発熱時においては随意的制御の継続が困難となり呼吸停止をきたした可能性が示唆された。片側延髄梗塞で遅延性呼吸障害を呈する報告は比較的まれであり、報告のある症例の中では、最長10か月後に改善した症例もあり、今後も継続して評価を行っていく必要があると考えられた。
【結語】中枢性呼吸障害の人工呼吸器離脱には、より継続的な観察・評価体制が必要であった。