The 27th Kinki Association for Clinical Engineers

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一般演題

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呼吸療法

座長:永濱 元続(兵庫医科大学病院 臨床工学部)、北田 裕子(淀川キリスト教病院 臨床工学課)

[01-04] アイノフローDSと麻酔器併用時,インジェクターモジュールとサンプルT字管の間の回路長によるNO濃度検証

*鷹野 弘典1、楠本 奈央1、前田 哲男1、亀井 理生1 (1. 奈良県総合医療センター 臨床工学技術部)

[背景]
一酸化窒素(以下,NO)療法は心臓手術の周術期における肺高血圧症の改善目的に使用され,麻酔システムと併用することがある.当院ではエア・ウォーター株式会社製一酸化窒素ガス管理システムアイノフローDS(以下,アイノフローDS)を使用しており,インジェクターモジュールとサンプルT字管の間の回路長(以下,IT回路長)は,吸気ガスを適切に混合するため60cmを確保することが規定となっている.
今回,IT回路長を30cmに変更しNO濃度に影響があるか検証を行ったので報告する.
[方法]
装置はアイノフローDSとGEヘルスケア・ジャパン株式会社製麻酔システムエイシス(以下,エイシス)を使用した.その際,IT回路長が30,60cmそれぞれの距離に対して,アイノフローDSのNO設定値は10,15,20,25,30,40ppmとし,NO設定値と表示値を投与開始から1,3,5分後に確認を行った.エイシスの設定条件は,当院の初期設定であるモード:VCV,TV:500mL,RR:10回/min,I:E=1:2,PEEP:OFFとした.
[結果]
1,3,5分後にてIT回路長が30cmの場合は,設定値を基準とした表示値との差は-2~2ppmの範囲であり,60cmの場合は-1~2ppmの範囲であった.今回検証した装置の投与精度は設定値±20%であることから,全て投与精度範囲内に収まる結果となった.
[考察]
今回の結果となったのは,動作原理としてインジェクターモジュールによりリアルタイムにエイシスの吸気流量が検知されることで,フローパターンや呼吸数に関係なく一定のNO濃度が投与されたと考えられる.また,エイシスのベースフローが十分にあったことで,NOと酸素の混合及びNO測定値に影響がないと考えられた.
[結語]
アイノフローDSと麻酔器併用時,IT回路長はNO濃度に影響がないことが示唆された.