[03-03] 潰瘍性大腸炎合併妊娠で顆粒球除去療法(GCAP)を施行した一例
【はじめに】潰瘍性大腸炎の患者数は2020年で約22万人と推定されており、20歳代の若年層に多く、わが国では難病に指定されている。今回、当院で潰瘍性大腸炎合併妊娠患者において、活性化凝固時間(ACT)を測定しながら顆粒球除去療法(GCAP)を安全に施行した一例を経験したので報告する。
【症例】20歳代女性。主訴;下痢。妊娠8週頃より、血便。妊娠13週に血便回数が1日10回となり、当院を受診。大腸内視鏡検査にて潰瘍性大腸炎と診断。加療目的にて入院となり、入院3日目よりステロイドを開始した。入院14日目に大腸内視鏡検査し、改善傾向を認めた。ステロイドの減量により、症状が再燃する恐れがあるため、入院15日目よりGCAPを開始した。
【方法】装置はアダモニターMM6-N(大塚電子)、吸着器はアダカラム(JIMRO)を使用した。妊娠時の凝固系は亢進状態となるため、血液凝固分析装置 Sonoclot(アイ・エム・アイ)を使用して30分ごとにACTを測定した。ヘパリン持続注入量500IU/hを基準に、目標ACTは150 秒で適時調整を行った。
【結果】治療は合計4回施行され、脱血不良が懸念されたが、全てで1200mLの目標値まで達成できた。また、回路内に目立った血液凝固もなく施行中のバイタルも安定していた。
その後、腹部症状は改善し、入院25日目で退院となった。
【考察】今回、潰瘍性大腸炎合併妊娠患者のGCAPはACTを測定しながら施行することによって、凝固による回路内血液損失のリスクを減らすことができた。
また、潰瘍性大腸炎合併妊娠患者以外でも、ACTを測定しながらGCAPを施行することは安全な治療につながると考えられる。
【結語】潰瘍性大腸炎合併妊娠患者に、より安全なGCAPが施行できた。
【症例】20歳代女性。主訴;下痢。妊娠8週頃より、血便。妊娠13週に血便回数が1日10回となり、当院を受診。大腸内視鏡検査にて潰瘍性大腸炎と診断。加療目的にて入院となり、入院3日目よりステロイドを開始した。入院14日目に大腸内視鏡検査し、改善傾向を認めた。ステロイドの減量により、症状が再燃する恐れがあるため、入院15日目よりGCAPを開始した。
【方法】装置はアダモニターMM6-N(大塚電子)、吸着器はアダカラム(JIMRO)を使用した。妊娠時の凝固系は亢進状態となるため、血液凝固分析装置 Sonoclot(アイ・エム・アイ)を使用して30分ごとにACTを測定した。ヘパリン持続注入量500IU/hを基準に、目標ACTは150 秒で適時調整を行った。
【結果】治療は合計4回施行され、脱血不良が懸念されたが、全てで1200mLの目標値まで達成できた。また、回路内に目立った血液凝固もなく施行中のバイタルも安定していた。
その後、腹部症状は改善し、入院25日目で退院となった。
【考察】今回、潰瘍性大腸炎合併妊娠患者のGCAPはACTを測定しながら施行することによって、凝固による回路内血液損失のリスクを減らすことができた。
また、潰瘍性大腸炎合併妊娠患者以外でも、ACTを測定しながらGCAPを施行することは安全な治療につながると考えられる。
【結語】潰瘍性大腸炎合併妊娠患者に、より安全なGCAPが施行できた。