The 27th Kinki Association for Clinical Engineers

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一般演題

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循環器②

座長:畑中 晃(社会医療法人 岡本病院(財団) 京都岡本記念病院 診療技術部 臨床工学科)、橋本 幹也(和歌山県立医科大学附属病院 臨床工学センター)

[06-05] 大腿膝窩動脈病変に対する薬物溶出性バルーン後の残存狭窄に影響する因子の検討

*伊藤 主峻1、澄川 隆1、大山 浩樹1、片桐 悠介1、宮口 晴菜1、南里 耕平1、倉田 直哉1 (1. 関西労災病院 臨床工学室)

【背景】大腿膝窩動脈(FP: Femoropopliteal)病変に対する末梢血管治療(EVT: endvasucular therapy)は薬物溶出性バルーン(DCB drug-coated balloon)の登場により大きなパラダイムシフトを起こした。近年、DCBを用いたEVT後の残存狭窄率が再狭窄因子であることが報告されているが、残存狭窄に影響する因子に対する詳細な検討はされていない。



【目的】FP病変に対するDCBを用いたEVT後の残存狭窄率に影響する因子を検討した。

【方法】本研究は単施設の後ろ向き研究である。血管内超音波(IVUS: intravascular ultrasound)併用化でDCBを用いてEVTを施工した新規連続165人231病変を対象とした。EVT後の残存狭窄率のカットオフ値はROC解析を用いて算出し、残存狭窄率がカットオフ値以上になる患者、患肢および手技背景をロジスティック回帰分析を用いて検討した。残存狭窄の評価はQVAで行い、統計学的有意差はP<0.05とした。

【結果】平均観察期間は17±9か月、再狭窄は23%(60病変)に認めた。EVT後の残存狭窄率のカットオフ値は34%であった。残存狭窄率が34%未満と以上では開存率が1年: 97±2% VS 91%±3%, 2年: 94±2% VS 80±4%であった(P<0.05)。残存狭窄率に影響する因子は透析(Odds ratio[OR]; 0.52; 95%信頼区間; 0.29-0.95, P=0.03)と病変長(10mm増加ごと)([OR]; 1.01; 95%信頼区間; 1.01-1.07, P=0.04)であった。透析および病変長>150mm以上を各1点として残存狭窄が34%以上となる割合を検討すると0、1、2点でそれぞれ27%、45%、71%であった。

【結語】FP病変に対するDCBを用いたEVT後の残存狭窄率に影響する因子は透析と病変長であった。