[06-06] 石灰化結節を合併した大腿膝窩動脈病変に対する薬物溶出性バルーン後の再狭窄率および臨床学的特徴の検討
【背景】近年、“Leave nothing behind"のコンセプトが大腿膝窩動脈 (FP: Femoropopliteal) 病変に対する末梢血管内治療 (EVT: endovascular therapy) において主流になってきており、薬物溶出性バルーン(DCB: drug coated balloon) の位置づけは非常に重要なものとなっている。近年、DCBを用いたEVT後の再狭窄因子として石灰化結節(CN: calcified nodule)が報告されているが、CNに関する詳細な検討はされていない。
【目的】CNを合併したFP病変の再狭窄率および臨床学的特徴を検討した。
【方法】本研究は単施設の後ろ向き研究である。新規FP病変に対して血管内超音波(IVUS: Intravascular Ultrasound)併用下でDCBを用いてEVTを施行した連続165人231病変を対象とした。CNはIVUSで内腔に突出する石灰化と定義した。CNを合併した群としなかった群に分け、再狭窄率の比較をKaplan-Mayer法・Log rank検定を用いて検討し、CNを合併する因子の検討として患者および患肢背景をロジスティック回帰分析を用いて検討した。統計学的有意差はP<0.05とした。
【結果】平均観察期間は17±9か月、CN は31.6%に認め、再狭窄は全体で23%(60病変)であった。CNを合併した群と合併しなかった群で開存率を比較すると1年、2年でそれぞれ88.8%±3.7% VS 95.5%±1.7%、75.6%±5.1% VS 92.8%±2.1%であった(P<0.05)。CNを合併する因子はPACSS(Peripheral arterial calcium scoring systems)分類(Odds ratio[OR]: 2.15; 95%信頼区間: 2.92-1.58; P<0.01))、糖尿病 ([OR]: 2.216; 95%信頼区間: 4.62-1.06; P<0.01)であった。PACCS分類で3以上および糖尿病の罹患を1点としてCN を合併する割合を検討すると0, 1, 2点でそれぞれ6.8%,19.5%,50.9%であった。
【結語】FP病変に対するDCBを用いたEVT後のCNを合併する因子はPACCS分類、糖尿病であった。
【目的】CNを合併したFP病変の再狭窄率および臨床学的特徴を検討した。
【方法】本研究は単施設の後ろ向き研究である。新規FP病変に対して血管内超音波(IVUS: Intravascular Ultrasound)併用下でDCBを用いてEVTを施行した連続165人231病変を対象とした。CNはIVUSで内腔に突出する石灰化と定義した。CNを合併した群としなかった群に分け、再狭窄率の比較をKaplan-Mayer法・Log rank検定を用いて検討し、CNを合併する因子の検討として患者および患肢背景をロジスティック回帰分析を用いて検討した。統計学的有意差はP<0.05とした。
【結果】平均観察期間は17±9か月、CN は31.6%に認め、再狭窄は全体で23%(60病変)であった。CNを合併した群と合併しなかった群で開存率を比較すると1年、2年でそれぞれ88.8%±3.7% VS 95.5%±1.7%、75.6%±5.1% VS 92.8%±2.1%であった(P<0.05)。CNを合併する因子はPACSS(Peripheral arterial calcium scoring systems)分類(Odds ratio[OR]: 2.15; 95%信頼区間: 2.92-1.58; P<0.01))、糖尿病 ([OR]: 2.216; 95%信頼区間: 4.62-1.06; P<0.01)であった。PACCS分類で3以上および糖尿病の罹患を1点としてCN を合併する割合を検討すると0, 1, 2点でそれぞれ6.8%,19.5%,50.9%であった。
【結語】FP病変に対するDCBを用いたEVT後のCNを合併する因子はPACCS分類、糖尿病であった。