第27回近畿臨床工学会

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ME(機器管理)

座長:篠原 智誉(三菱京都病院 臨床工学科)、加藤 慎章(社会医療法人弘道会なにわ生野病院 臨床工学科)

[02-03] 循環器内科病棟移設に伴う医用テレメータシステム再配置を経験して

*大東 雅弘1、北村 孝一1、岩井 智哉1、小出 直樹2、松尾 光則1 (1. 大阪市立大学医学部附属病院 医療機器部、2. 大阪市立大学医学部附属病院 医療の質・安全管理部)

【背景と目的】

病棟における患者管理において医用テレメータは重要な役割を担っており、当院ではその中央管理を臨床工学技士が担当している。新型コロナウイルス蔓延に伴う病床スペース確保のため、病棟再編を行うこととなり、今回循環器内科病棟における医用テレメータの再配置を経験したので報告する。



【取り組み】

看護師、臨床工学技士、生体モニタメーカとでスケジュールを共有し、具体的なタイムテーブルを事前に打ち合わせることで、各担当の予定を共有した。

臨床工学技士:病棟からの要望に合わせた機器の手配。再配置に関するチャンネル管理および見直し(割り振り)。

看護師:当日の入院患者調整。当日の患者への説明等。

生体モニタメーカ:技術的サポート提供準備。アンテナ工事段取り。

また、アンテナ工事を完了してから医用テレメータの配置(機器の移動、設置、各種設定)を行ったあと、通信テスト、看護師向け勉強会を行う予定であった。



【結果】

アンテナ工事が予定時間に終わらず、セントラルモニタシステム移設が当日に完了できなかった。それに伴い通信テスト、モニタ操作研修等も当日行う事ができなかった。また作業中通信テストの際にインシデントが発生したため、翌日にセントラルモニタシステムテスト、看護師向け勉強会を行い予定より1日遅れの運用開始となった。



【考察】
スケジュール、タイムテーブルの共有等を多職種間で行っていたが、基盤となるアンテナ工事が予想以上に時間がかかり、予定の1日で作業を遂行することができなかった。また本事案では、その他実際の作業日の患者入床状態など確認不足等、当初のスケジュールと異なる点が多数確認できた。今後医用テレメータ移設を行う際は本事例を教訓とし、患者の安全を最優先にした作業を行えるよう余裕を持ったスケジュール組みと、環境把握を多職種間で共有することが重要であると考える。