The 27th Kinki Association for Clinical Engineers

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一般演題

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ME(機器管理)

座長:篠原 智誉(三菱京都病院 臨床工学科)、加藤 慎章(社会医療法人弘道会なにわ生野病院 臨床工学科)

[02-06] 病院経営を考慮した機器選定

*小野 達也1、野田 辰明1、百瀬 裕馬1、松代 悠暉1、野村 俊介1、桝原 直樹1 (1. 一般財団法人 芙蓉協会 聖隷沼津病院)

【はじめに】
 当院は静岡県東部に位置する入院許可病床数246床の2次救急設備を保有した中規模病院である。ディスポーザブル製品におけるコストの増加が病院の経営を圧迫しており、臨床工学技士の目線から見たコスト削減が求められている。当院における昨年の手術件数は2393件である。その中で高周波手術装置を使用する際に高価なデバイスがディスポーザブルとなっている現状がある。

【目的】
 新たに購入する高周波手術装置の機器選定に初めて携わり、機器の性能だけではなく、永続的に発生するコストを考慮しながら購入までに至った経緯を報告する。

【経過】
 機器選定を行うに当たり、手術医療機器チーム内で選定基準の摺り合わせを行った。①病院経営を考慮した費用対効果が得られる機器であること。②主に外科、婦人科の手術で使用する為、各科の医師の同意が取れること。この2項目を必須条件として選定を開始した。機器選定を行うため、各メーカーから情報収集し、その中でもエルベ社製高周波手術装置VIO3(以下VIO3)に着目した。VIO3は現在「K931超⾳波凝固切開装置加算」が取得できる機器の中で唯一、デバイスがリユース可能な機器である。今までディスポーザブルデバイスを使用していた症例に対し、VIO3のリユース可能なデバイスを使用していくことで、ディスポーザブルデバイスの大幅なコスト削減に寄与できるのではないかと考えた。次に、当院の想定症例数から運用コストの試算を行い、事務方へ購入の説明、VIO3のデモを事前に医師へ行ったことで医師の承認も得ることができ、選定基準も満たしたため機器購入へと至った。

【今後の展望】
 費用対効果がどの程度得られたかどうか今後の使用件数実績を追って評価する必要がある。今回の機器購入を経験し、診療報酬を加味し病院経営を考えつつ、患者様に高度な医療を還元できる機器を提案することの必要性を学んだため今後も実施していく。