The 27th Kinki Association for Clinical Engineers

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一般演題

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手術室①

座長:高橋 篤志(兵庫医科大学病院 臨床工学部)、服部 剣士(奈良県立医科大学附属病院 医療技術センター)

[11-01] RFIDタグを用いた肺部分切除における臨床工学技士の役割

*鈴江 真美1、星原 信行1、山東 奈津子1、西野 けやき1、樋口 浩和1、相田 信二1 (1. 京都大学医学部附属病院)

【はじめに】物を識別・管理するシステムの一つにradio frequency identification (以下、RFID)があり、例として交通機関や電子マネーの支払いに使うICカードがある。
当院では、肺悪性腫瘍手術の際に切除部位を同定するためのシステムとして導入している。予め、軟性気管支鏡を用いて病変部位近傍にRFIDタグを留置する。胸腔鏡下にてアンテナでタグを探知し、切除を行っている。
この機器の操作・管理に臨床工学技士が携わっており、今回、業務確立から現状までの経過および今後の課題について検討したので報告する。
【経過】RFIDタグを内視鏡室で軟性気管支鏡下にて留置し、その後手術室で切除することから、内視鏡業務担当臨床工学技士1名がタグの使用前点検から術中検知・切除後確認まで対応していた。
【現状】内視鏡業務担当者が手術前日あるいは当日にRFIDタグの使用前点検、患者情報の登録、タグ留置時の機器操作を行っている。手術時にも機器準備、専用PC操作、切除後確認も行っている。
現在は、留置から切除までHybrid手術室でも行われるようになり、手術室業務担当臨床工学技士2名が留置から切除、終了までを新たに介入するようになった。
【課題】症例数もまだ多くなく、当システムに対応できる臨床工学技士が少ない。そのため、準備や機器操作、トラブルにも対応できるスタッフを徐々に増やし、教育していく必要がある。また今後は、内視鏡業務担当者のみならず手術室業務担当者も業務の垣根を超え、共通の手技が行えるようマニュアルの作成等を検討している。
【結語】タグ留置は透視下のみにて行われていたが、最近ではナビゲーションを用いて正確な留置を行うことで、被爆の軽減や手術時間の短縮が見込まれている。
今後、RFID留置だけでなく、臨床工学技士が必要とされる業務が拡大される中、安全で質の高い医療を提供できるよう努めていきたい。