手術室①

[11-02] 整形外科（単科）での臨床工学技士の役割と業務
～開院から3年を経過して～

*藤原 永美莉^1,2、足立 亘¹、藤井 歩美¹、小川 新太郎^2,1 (1. 医療法人清翠会　牧整形外科病院　診療支援部　臨床工学科、2. 医療法人清翠会　牧病院　診療支援部　臨床工学科)

【はじめに】
当院、牧整形外科病院は医療法人清翠会グループの一つ、整形外科単科の病院である。2018年に開院し、一般急性期病床80床で手術室は5部屋である。
清翠会グループ施設（牧病院、牧整形外科病院、牧リハビリテーション病院）を兼務している臨床工学技士が4名在籍し、うち牧整形外科病院主勤務のスタッフが2名である。
【業務内容】
当院では麻酔器の始業点検、除細動器や超音波診断装置の点検を手術室稼働日は毎日行っている。病棟管理の機器は使った後に異常動作がないか使用後点検を行っている。
また医療機器の時刻調整、バックバルブマスク動作点検、呼吸器の動作点検、消耗部品交換等を毎月行っている。
保守点検に関しては外部業者に依頼しているケースも多いが、臨床工学科員が定期点検可能な機器を増やし、院内で完結させコスト削減できるよう努めている。
手術室での医療機器操作も行っており、3Dナビゲーションシステム操作、運動誘発電位検査、脊椎鏡・各関節鏡のセッティングから操作、トラブル対応等を行っている。
側面椎体固定術、片側侵入椎体間固定術、後方椎体固定術、内視鏡下腰椎椎間板摘出術、内視鏡下腰椎椎弓切除術、椎体置換でナビゲーション操作がある手技は全て臨床工学科が機器操作対応をしている。
【実績】
2020年度の手術件数2236件中、ナビゲーション：187件、運動誘発電位検査：23件、脊椎鏡：122件、各関節鏡：440件、手術顕微鏡：63件となっており、ナビゲーション操作については全件介入した。院内で発生し、報告を受けた全177件の医療機器の故障も全件対応した。
【まとめ】
今後は、現在行っているナビゲーションシステムや手術中検査における専門技術を磨き、より安全で効率的な手術業務を目指したいと考える。また、手術件数増加に伴い、手術室看護部との協力も多々ある為、いつ誰が見ても分かるようなマニュアル作りにも積極的に取り組み、さらなる業務拡大に向けて体制を整えるよう努めていきたい。