第27回近畿臨床工学会

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座長:小笹 真(第二富田クリニック 臨床工学科)、椋本 匡俊(第二大阪警察病院 医療技術部 臨床工学科)

[13-01] 臨床工学技士における離職理由の傾向と求められる職場環境について

*松村 信之介1 (1. 医療法人社団 石鎚会 京都田辺中央病院)

【はじめに】
2019年に働き方改革関連法が施行され、長時間労働改善をはじめ、育児をしながら働き続けられる「多様で柔軟な働き方の実現」を求められる医療機関は多い。そのため現場サイドから取り組むべき課題の明確化を目的に調査した。
【方法】
当院在籍者と当院退職者を対象に離職理由の傾向と求める職場環境についての調査を実施した。
【結果】
「離職と転職の理由について」は、当院退職者ではスキルアップが最も多く、次いで、人間関係、ワークライフバランスが確保できないが上位3つであった。在籍者の前職離職理由としては、人間関係が最も多く、次いでワークライフバランスが確保できない、スキルアップが上位3つの順であった。
「転職することで転職した理由は改善したか」について、当院退職者では、改善したが73%、改善していないが27%であった。当院在籍の離職経験者では、回答者全員が改善したと回答した。
「今、働く上で最も重要視する項目は何か」では、全体の結果から人間関係、ワークライフバランスの確保、スキルアップが上位3つを占め、当院スタッフだけの結果と当院退職者の結果とでは順位は違うものの上位3つは共通した項目であった。
【まとめ】
調査から離職理由の傾向はスキルアップ、人間関係、ワークライフバランスの確保が関連している事が判明し、これらは働く上で重視する項目でも上位となった。当院退職者はスキルアップを求めての転職が離職理由で最も多かったが、在籍者が働く上で重視している項目では人間関係とワークライフバランスの確保が上位を占めている。すなわち現在の職場環境としてスキルアップが望めない環境ではないと捉える事が出来る。しかし、スタッフの経験年数に比例してスキルや知識も向上する事が予想され、良好な人間関係の維持とワークライフバランスの確保に加え、「働きながらスキルアップのできる環境」の整備が必要であると捉え、今後も取り組みを継続したい。