第27回近畿臨床工学会

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座長:小笹 真(第二富田クリニック 臨床工学科)、椋本 匡俊(第二大阪警察病院 医療技術部 臨床工学科)

[13-03] 生活空間内における行動パターン解析システムの構築

*田中 雄大1、大畑 優太1、中野 翔太2、金山 凌3、竪元 将己4、下峯 永子5、池上 咲1、西手 芳明1 (1. 近畿大学生物理工学部医用工学科、2. 府中病院診療技術部 臨床工学室、3. 社会医療法人頌徳会日野クリニック 血液浄化室、4. 日赤和歌山医療センター 臨床工学技術課、5. 和歌山県立医科大学付属病院 臨床工学センター)

【はじめに】独り暮らしの体調異変は、重症度によって外部への通知が難しいことが有る。

そこで、生活行動上必ず在室する個所にセンサを設置し、反応時間などのデータにより行動パターンの定量化が可能と考える。そのための生活行動パターン解析システムの構築を行う。このシステムにより、異常時は外部へ電話、メール等の通信手段にて知らせることが可能となる。

【方法】プログラミングソフトVisual Basic2017®を用いてセンサ及び連動するタイマーの制御を行う。圧力センサ①はトイレを想定し、入室時にマットを踏むことでタイマーが始動し、退出時に再度踏むとタイマーが停止する。圧力センサ②、③は浴室と台所を想定した照明スイッチに設置し、点灯するとタイマーが作動、消灯するとタイマーが停止する。仮想の生活空間内に3つのセンサを設置し、PCにより在室・滞在時間を計測、データの収集・解析を行う。各センサの計測終了後にMicrosoft Excel®へデータが自動入力される。データは日時及びトイレ、浴室、台所の滞在時間が記録され、計測時間と平均時間の変化がグラフで表示できる。

【結果】圧力センサ①の反応によりトイレの入・退室用タイマーが作動した。圧力センサ②、③により浴室、台所在室用タイマーの作動が確認できた。トイレ、浴室、台所において滞在時間及び日時のデータが自動的にPCに収集でき、グラフへそれぞれの時間が正確にプロットされた。

【考察】仮想生活空間内での測定を行うことにより、生活行動パターンを定量化できると考えられる。さらに、データの蓄積により数値の変動で異常な状況が確認できると考えられる。今後は、平均時間などから異常値になった場合に外部へ、メールなどにより通知を送信するシステムが必要と考えられる。

【結語】生活空間内での生活行動パターンの解析システムの構築を行った。今後は、データの情報から正常と異常の分別及び異常時の通知システムの開発を行っていく必要がある。