The 27th Kinki Association for Clinical Engineers

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一般演題

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手術室②

座長:村田 佑介(医仁会武田総合病院 臨床工学科)、定 亮志(大阪市立大学医学部附属病院)

[14-02] 下顎骨内異物除去におけるナビゲーションシステムの使用経験

*田中 陽一1、村上 大地1、大上 明彦1、田中 朱音1、北山 伸一1 (1. 市立岸和田市民病院 医療技術局臨床工学部)

[緒言]
 当院ではメドトロニック社製「Stealth Station S7」のナビゲーションシステム(以下ナビゲーション)を脳神経外科、整形外科、耳鼻咽頭科で使用している。今回、歯科口腔外科でナビゲーションを使用したので報告する。

[目的]
 他院にて右下8水平埋伏歯の抜歯時にカーバイドバが破折して下顎骨内に迷入した。今回、迷入したカーバイドバの除去を当院で行うことになった。術中の切開を最小限に留めるためにナビゲーションの使用が有効ではないかと主治医から相談があった。そこで今回の症例でナビゲーションを使用するに当たって術中に可動性のある下顎に対するレジストレーションの方法を検討した。

[方法]
 可動性のある下顎でナビゲーションを使用するにはリファレンス器具の固定が重要であると考えた。リファレンス器具の固定位置を主治医と相談し、術前に患者の歯型を取って作製したバイトブロックにリファレンス器具を固定することにした。またナビゲーションで使用するCT画像はバイトブロックを噛ませた状態で撮影したCT画像とした。

[結果]
 ナビゲーションのレジストレーションは容易に行え、術中もナビゲーションの位置情報がずれることなく迷入したカーバイドバを除去することができた。

[考察]
 可動性のある下顎骨に対してナビゲーションを使用するときにはマウスピースを使用する方法やバイトブロックを使用する方法など施設によって工夫をしているのが現状である。今回、当院で使用した歯形を取ったバイトブロックにリファレンス器具を取付ける方法は有効であり、術前準備の重要性を再確認できた。

[結語]
 症例によって工夫は必要であるが、歯科口腔外科でもナビゲーションの使用は有効であると思われる。