[SY2-1] ニューロモデュレーション治療における臨床工学技士の果たす役割について
「ニューロモデュレーション」と聞いてわかる方はどの程度いるだろうか?初耳の方もいるだろうし、ネットニュース、TV等で聞いたことがあるという方もいると思われる。ニューロモデュレーション治療は、脳深部刺激療法(DBS)、脊髄刺激療法(SCS)に代表される運動機能の回復や疼痛緩和に効果がある確立された治療法だ。私がニューロモデュレーション治療に携わって9年になるが、年々刺激装置が進歩し多様化されたことで刺激調整が複雑化した。新たな刺激条件の選択肢、情報量が増えたことは、これまで以上の症状改善の可能性を秘める一方、刺激調整、最適化を行うために必要な時間は増加傾向で患者の負担にもなっている。症状緩和のため有効と考えられる最適な刺激条件をタイムリーに提供するためには、医師、看護師だけではなく多くの医療職種との連携が必須である。臨床工学技士がニューロモデュレーション業務に取り組むことは、複雑化する医療機器を安全にかつ効果的に活用できるだけでなくタスクシフトの観点からも、医師の大きな負担軽減にもつながる。入院時、外来時の限られた時間をいかに有効に活用するか、当院のニューロモデュレーション業務を紹介し、皆様が抱えている問題についても情報交換できる切欠になれば幸いである。