一般社団法人資源・素材学会 平成26(2014)年度 春季大会

講演情報

企画講演

非平衡状態を達成するプロセス

2014年3月26日(水) 13:00 〜 17:40 第1会場 大会議室 (An301・302)

司会:三宅 正男(京都大学)、野瀬 嘉太朗(京都大学)

17:00 〜 17:40

[11-06] 酸化物ガラスへの⾼濃度プロトンキャリアの電気化学的注⼊法;⾼温アルカリ-プロトン置換法

石山 智大1、西井 準治2、山下 俊晴3、川副 博司3、小俣 孝久1 (1. 大阪大学、2. 北海道大学、3. 川副フロンティアテクノロジー)

司会:野瀬 嘉太朗(京都大学)

300~500°Cの中温域で作動する燃料電池の開発にはそれに適した固体電解質が必要である。我々は中温域で高プロトン伝導度を示す電解質の開発を目指し、酸化物ガラス中に中温域でも安定な高濃度のキャリアプロトンを注入する方法を開発した。中温域の水素雰囲気で試料の両端の電極に5V程度の直流電圧を印加して、ガラス中のアルカリイオンをプロトンへ電気化学的に置換する方法である。アルカリ―プロトン(AP)置換法と名付けたこの方法で、熔融法による作製時に空気中の水との熱平衡でガラス中へ溶解するプロトンの50倍の濃度(約6×1021cm-3)のプロトンをリン酸塩ガラスに注入できた。注入されたプロトンはキャリアとなることが確認され、1WO3-35NaO1/2-8NbO5/2-5LaO3/2-51PO5/2組成のガラスのAP置換により、250°Cでのプロトン伝導度が3×10-4 Scm-1でプロトン輸率が1の新規なプロトン伝導体の開発に成功した。前述のガラスの熱安定性及びプロトン伝導度は不十分だが、AP置換法を適用できるガラスの組成探索により中温作動型燃料電池に適した固体電解質が開発できると期待している。

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