一般社団法人資源・素材学会 平成26(2014)年度 春季大会

講演情報

一般講演

鉱物処理

2014年3月26日(水) 13:30 〜 16:45 第2会場 中セミナー室1 (An401・402)

司会:日下 英史(京都大学)、広吉 直樹(北海道大学)、芳賀 一寿(秋田大学)

14:15 〜 14:30

[12-04] ⻩銅鉱と輝⽔鉛鉱の浮選分離に関する研究

市川 修1、平島 剛1、森 優典1、笹木 圭子1、三木 一1、澤田 満2 (1. 九州大学工学府、2. 住友金属鉱山株式会社)

司会:日下 英史(京都大学)

硫化銅鉱石中にはしばしば輝水鉛鉱が含まれることがあり、この銅-モリブデン鉱石は浮遊選別で処理され、銅精鉱に加え副産物としてモリブデン精鉱も回収されている。本研究では、この銅-モリブデン優先浮選に際し、新たな表面処理方法としてプラズマ酸化を用い、AFM測定、XPS分析、ゼータ電位測定、そして接触角測定によって両鉱物表面の性状の変化および濡れ性に及ぼす影響ついて研究した。またハリモンド浮選によって最適な分離条件の検討を行った。プラズマ酸化処理後は黄銅鉱および輝水鉛鉱ともに表面が親水性となり、浮選回収率も低下することがわかった。その後、pH9の水溶液中にて水洗処理を行うことで、黄銅鉱表面は鉄のオキシ水酸化物が表面に被膜して親水性を保持することがわかった。一方、輝水鉛鉱表面はプラズマ酸化により生成した酸化モリブデン(VI)が溶液中に溶解し、疎水性を示した。また水洗処理後の浮選実験結果からも黄銅鉱の回収率は低く、輝水鉛鉱の回収率は高い値を示したことから、同様の表面性状の変化が確認された。これらの結果からプラズマ酸化処理は黄銅鉱と輝水鉛鉱の選択浮選分離において有効なプロセスであることを示した。

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