14:45 〜 15:00
[12-05] ハイドロサルファイト塩を⽤いたコレクターレス・マイクロバブル浮選に関する基礎的研究
司会:広吉 直樹(北海道大学)
近年、微細な構造をもつ硫化鉱物の分離回収のニーズが高まっているが、単体分離のため微粉砕した鉱石に対する通常浮選では浮選剤の過剰添加が問題となっている。本研究では、Hydrosulfite塩が水中で酸化・還元分解する過程で疎水性硫黄を析出する反応が鉱物表面で優先的に起こることを利用し、微粒硫化鉱物に対してコレクターレス・マイクロバブル浮選を適用し、そのメカニズムの検討を行った。浮選試験では-10μmに粉砕した方鉛鉱および閃亜鉛鉱の溶液にHydrosulfite塩を添加し、SPG膜を搭載したマイクロバブル浮選器を用いて実験を行った。その結果、微粉砕した方鉛鉱および閃亜鉛鉱はHydrosulfite塩を用いることで捕収剤を用いず回収することができた。さらにHydrosulfite塩の濃度が120 ppm 以上の領域では方鉛鉱の浮上率が約10 %まで低下したのに対し、閃亜鉛鉱の浮上率は約70 %を維持したままであることが確認され、両鉱石の分離の可能性が示唆された。また、Hydrosulfite分解反応に伴い溶液中にも単体硫黄の析出が確認され、その発生と浮上率との相関性が示唆された。
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