1:30 PM - 2:00 PM
[13-02] Chemistry research of old coin materials.(3)
司会:久間 英樹(松江工業高専)
古代の金属材料には、生産に使用された原料鉱石、選鉱・精錬・冶金等の技術力と、その当時の時代の要請とが金属組成、不純物、鋳造状態として残されている。本研究では、製造時期と地域が判明している貨幣材料とその原料となった鉱石等の組成分析から当時の鉱業技術と歴史的背景との関係を調査、考察している。今回は、16世紀以降の銀貨類に着目し、山口県で出土した江戸期以前の古丁銀、永楽通寶銀銭、同時期のスペインのレアル銀貨類について分析を行い化学組成を比較した。また、参考試料としてメキシコのパチュカ銀山、日本の石見銀山、一ノ坂銀山、生野銀山、多田銀銅山、相川金銀山、鶴子銀山、小坂銀山、院内銀山等の現在残されている高品位鉱石の化学分析を行った。その結果、古丁銀試料からは銅・鉛・ビスマスが検出され石見の灰吹銀がそのまま使用されている可能性がある。永楽通寶銀銭については、鉛・金の含有が多い銀銅合金が使用されている。レアル銀貨類については、スペイン本国で鋳造された銀貨には鉛が多く含まれる灰吹銀が使用され、メキシコ、ペルーで鋳造された銀貨には鉛の含有量が少なく、水銀を使用したアマルガム法が使用されたと考えられる。
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