岩盤力学基礎/その他

[14-03] 破砕した岩⽯の遮⽔性の回復

^〇大石 悠太¹、羽柴 公博¹、福井 勝則¹ (1. 東京大学)

司会:陳 友晴(京都大学)

地下構造物建設時の掘削によって損傷を受けた岩盤に十分な強度・剛性の支保を設置した場合や適切な埋戻しが行われた場合には、時間の経過とともに強度の回復現象が起きることがわかってきた。この際遮水性が同時に回復することも想定される。本研究では、田下凝灰岩、来待砂岩、河津凝灰岩、珪質泥岩、三城目安山岩の湿潤状態の供試体を用いて、厚肉円筒内で圧縮破壊させた後も設定した荷重に達するまで載荷速度を切り替えながら押し込みつづける試験(押し込み試験)を行った。その後、取り出した供試体でフローポンプ法透水試験を実施した。その後、破砕後に押し固めた岩石に対しても精度よく透水係数を測定する手法についての検討も行った。押し込み試験での載荷速度の変化と応力の対応から、湿潤状態の岩石の時間依存性は押し固める過程で変化しないことがわかった。また、圧縮破壊させると透水係数が上昇するが、三城目安山岩を除く岩石は押し込み荷重が上昇するにつれ透水係数が低下することが明らかになった。他方、三城目安山岩は透水係数の低下は見られず、押し込み荷重が上昇するにつれ大きな透水係数を示した。