湿式素材プロセッシング

[21-06] Separation of Nickel and Cobalt Solvent Extraction without Organic Solvents

^〇白山 栄¹、宇田 哲也¹ (1. 京都大学)

司会:大上 悟(九州大学)

湿式製錬において金属の相互分離に用いられる溶媒抽出法は、抽出相として有機溶媒を用いる手法であるが、有機溶媒の揮発性が高く扱い難いことなどが問題となる。そこで本研究では有機溶媒を用いることなくニッケル(Ni)とコバルト(Co)の相互分離を行う手法として、水溶性ポリマーと塩の水溶液からなる水溶液-水溶液二相系に着目し、湿式精錬への応用を目的とした基礎的な調査を行った。予備実験として、50wt%ポリエチレングリコール(PEG)水溶液および1mol/L硫酸ナトリウム水溶液を用いて水溶液-水溶液二相系を作製し、抽出剤としてチオシアン酸カリウムを0.2~1mol/L添加して分配実験を行い、NiおよびCo各々の抽出率の比較を行ったので報告する。本手法では抽出相の溶媒も水を主体とした溶液であることから、有機溶媒相を用いる系とは異なる化学操作を組み合わせたプロセスの設計が可能であると期待している。