湿式素材プロセッシング

[21-09] パルスジェット乾燥法によるジメチルアミンボランを⽤いたNi-Co系超微粒⼦の製造

大瀧 大地¹、^〇日下 英史¹、陳 友晴¹、楠田 啓¹、馬渕 守¹ (1. 京都大学)

司会:大上 悟(九州大学)

パルスジェット乾燥法は、乾燥・粉体化技術の一つとして開発され、パルスエンジンにより噴霧液体に強力な超音波と温風を照射することにより常圧下で乾燥させる技術である。本研究では、従来の液相還元法による金属超微粒子の製造時間等を改善することを目的に、同乾燥法を用いてNi-Co系超微粒子の製造を行い、同時に澱粉を用いて超微粒子を澱粉のマイクロ粒子中に回収することを試みた。実験方法として、澱粉溶液に還元剤としてジメチルアミンボラン(DMAB)を 0.25 M 加え、pH調節後、さらに塩化ニッケル、塩化コバルトを各々 0.25 M加えて原料溶液を作製し、それをパルスジェット乾燥システムに送液して超微粒子を得た。得られた粒子はEDX、XRD、XPS、SEMにより観察ならびに解析を行った。その結果、パルスジェット乾燥システムを用いることで、DMABのような弱い還元剤で、Ni-Co系超微粒子を短時間に製造できた。さらに、超微粒子は酸化ホウ素を少量含んでおり、一次粒子の粒径が 1-1.5μm程度の比較的に粒度分布が単分散な球状の粒子であることが判明した。