14:40 〜 15:00
[22-05] 直島製錬所貴⾦属⼯場への⾦湿式⼯程の導⼊について
司会:武部 博倫(愛媛大学)
直島製錬所貴金属工場では2004年10月に湿式法による金製錬工程を導入した。これは銅電解スライムを浮選処理後、塩酸と過酸化水素を用いて酸化溶解し、溶解液中の金をジブチルカルビトールで溶媒抽出し、これを直接還元することで金を回収するものである。本工程の導入により、従来法では35日要していた製錬期間を10日に短縮することができた。なお、スライムより溶出したSe,Pt,Pdなどは溶解液に残留するが、後工程で還元され回収される。また、スライム中に含まれる銀、鉛は溶解工程で塩化物を形成して沈殿するため、これを硫酸と鉄粉を用いて脱塩素した後、乾式処理している。この工程では脱塩素後のスラッジを熔澱焙焼炉で熔解し、PbO-SiO2系スラグとAg2Seに分離後、これを分銀炉で酸化分解し粗銀を得る。粗銀は銀電解工程で精銀とする。金湿式工程導入後、溶解槽のチタン化、脱塩素反応工程の増強等により工程を安定化することができた。最近では過酸化水素添加量の最適化を図り、金浸出率を保ちつつコストダウンを達成した。また、スラッジ沈降槽、還元金洗浄乾燥機の改善を行い、安定操業を維持・継続できるようになった。
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