粉体精製とシミュレーション

[23-04] Numerical Simulation of Powder Processing for Phenomenon Elucidation and Effective Development

^〇林 直人¹ (1. 産業技術総合研究所)

司会:鈴木 祐麻(山口大学)

講演者はこれまで,様々な新規粉体精製プロセスを対象として,現象を解明し開発の効率化につなげるために,数値シミュレーションとその実験的検証を実施してきた。本講演では以下の研究概要を報告する。廃電子素子気流選別プロセス開発においては,オリフィスと呼ばれる絞りをカラム内に導入することにより,電子素子の選別速度を向上させ,落下粒子の浮上を助ける加速ゾーンと,理想的な比重選別を行う選別ゾーンとが繰り返し出現することを明らかにした。また,金属基板に鉛直方向ボールインパクトを繰り返し与える表面処理プロセス(ボールインパクト法)を炭化水素雰囲気下で行い,メカノケミカル反応が発現してダイヤモンドライクカーボン皮膜の直接合成が起こり始める基板表面接触応力のしきい値を予測した。製鉄プロセス廃熱を利用した金属系蓄熱体利用ダスト乾燥プロセスでは,蓄熱体に磁気変態熱の発現を設計することで,乾燥時間の短縮に大きく寄与することを示した。さらに低品位鉄鉱石をペレット化して混合する焼結プロセス(MEBIOSプロセス)においては,ペレットの配置方法がプロセス効率に与える影響を予測した。