一般社団法人資源・素材学会 平成26(2014)年度 春季大会

講演情報

企画講演

YARO11 ~壊す~

2014年3月27日(木) 10:45 〜 17:00 第6会場 中セミナー室6 (食堂棟2F)

司会:佐藤 晃(熊本大学)、陳 友晴(京都大学)、坂口 清敏(東北大学)、木崎 彰久(秋田大学)

13:50 〜 14:30

[26-05] 海洋潮汐⼒に起因する⽐較的⼤きいひずみ速度による略南北⾛向の沈み込み帯での⼤潮における巨⼤地震発⽣の抑制

藤井 義明1、杉本 拓也2、福田 大祐3、児玉 淳一3 (1. 北海道大学、2. 北大院、3. 北大工)

司会:陳 友晴(京都大学)

チリ・アラスカ・ニューギニア(SPRING)ではM8以上の巨大地震の発生は大潮に集中している。海洋潮汐力の振幅は大潮で大きいので、地震断層を滑らせるように作用する応力(以下、有効せん断応力と呼ぶ)の最大値も大きくなり、巨大地震の発生が集中すると説明できる。ところが、ペルー・インドネシア・トンガ・日本・千島列島(NEAP)では、大潮でない特定の月齢に巨大地震が集中している。海洋潮汐力による有効せん断応力の振幅は、沈み込み帯の走向が東西だと小さく、南北だと大きい。SPRINGの走向は略東西でNEAPは略南北である。そこで、花崗岩供試体に一定の圧縮応力(NEAPの小潮とSPRINGに対応)とわずかに変動する圧縮応力(NEAPの大潮に対応)とを繰り返し作用させたところ、変動が応力減少で始まる場合は全ての供試体が一定応力作用中に破壊した。変動が応力増加で始まる場合にも、供試体は必ずしも応力が平均値よりも大きくなったときに破壊するとは限らなかった。したがって、NEAPでは比較的大きいひずみ速度による断層の強度増加が大潮における巨大地震発生を抑制していると考えられる。

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